2007 Fiscal Year Annual Research Report
過敏性腸症候群モデル動物における温度感受性受容体を介する知覚過敏性反応
Project/Area Number |
19590156
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
堀江 俊治 Josai International University, 薬学部, 教授 (50209285)
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Keywords | TRPVJ / カプサイシン / 消化管機能 / TRPAJ / 免疫組織化学 / CGRP / 内臟知覚神経 / 知覚過敏 |
Research Abstract |
消化管運動におけるストレスによる内臓知覚神経過敏性反応は、温度感受性受容体の分布あるいは機能が増大しているのではないかという作業仮説を立てこれを検証するために研究を進めている。本年度は、正常動物の下部消化管におけるホット受容体TRPV1の分布(定量化)とこれを介する平滑筋収縮反応、さらにそれに関与する神経ペプチドについて検討を進めた。母子分離ストレス負荷群における消化管のTRPV1の機能変化について検討を行った。 その研究結果の要点を以下の3点にまとめた 1.正常マウスの下部消化管(結腸、直腸)凍結切片において、免疫組織化学的手法を用いてTRPV1がどのように分布しているかを検討した。その結果、下部消化管は肛門側ほどTRPV1神経線維を豊富に発現していることが明らかとなった。また、二値化ソフトを導入し神経線維の発現を定量化した。また、TRPV1神経線維は縦走筋と輪状筋の間にある筋間神経叢に密に観察され、脊髄由来の外来性知覚神経であると推定した。この神経が消化管の運動性に影響を及ぼしているものと推察された。 2.正常マウスの摘出下部消化管標本を用いマグヌス装置にて平滑筋収縮性を検討したところ、カプサイシン投与により一過性の収縮が観察された。特に、その収縮は肛門側の部位(遠位結腸と直腸)ほど顕著であった。この収縮反応は神経性収縮で、サブスタンスPやニューロキニンA、アセチルコリンの介在が示唆された。 3.マウスに母子分離ストレス負荷を行ったところ、近位および横行結腸では平滑筋収縮反応に変化が認められなかったが、遠位結腸と直腸においては一過性収縮反応の増強が観察された。したがって、下部消化管肛門側ではストレスによって、TRPV1の感受性が増大していることが示唆された。
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Research Products
(11 results)