2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体膜の分子を標的とした薬物透過促進法の戦略的構築
Project/Area Number |
19590159
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
渡辺 善照 Showa Pharmaceutical University, 薬学部, 教授 (70175131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 まき子 昭和薬科大学, 薬学部, 准教授 (50199296)
小泉 直也 昭和薬科大学, 薬学部, 助手 (80433845)
近藤 昌夫 大阪大学, 薬学研究科, 准教授 (50309697)
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Keywords | 薬学 / 薬理学 / 生理学 / 生理活学 / 生体機能利用 |
Research Abstract |
これまでに研究代表者らは、消化管上皮細胞のタイトジャンクションに存在するclaudin-4に結合し、タイトジャンクションを開口させ、薬物の吸収促進を行う物質としてウェルシュ菌エンテロトキシンの毒性活性部分を除いたC末断片(C-CPE)を見出している。平成19年度は、このC-CPEの活性部位を同定するためAlanine scan法を駆使してC-CPEと消化管に存在するclaudin-4との結合部位および吸収促進作用をもつドメインを網羅的に解析した。Claudin-4との結合部位として知られているC-CPEの304番目のセリンから319番目のフェニルアラニンまでを、それぞれアラニンに置換し、Claudin-4との結合性およびラット腸管における薬物吸収能を検討した。その結果、306番目のチロシンと315番目のロイシンを置換した場合、Claudin-4との結合性およびラット腸管における薬物吸収能が低下することを明らかとした。また、過去に306番目のチロシンと310番目のチロシンをアラニンに置換することで、Claudin-4との結合性が低下することを報告している。そこで、315番目のロイシンをアラニンに置換し、さらに306、310、319番目のチロシンをそれぞれアラニンに置換し、C-CPEダブル置換体を作製し機能解析をおこなった。その結果、すべてのダブル置換体でClaudin-4との結合性およびラット腸管における薬物吸収能が完全に消失したことから、これらアミノ酸配列がC-CPEの薬物吸収促進作用を担っていることを明らかとした。これらの結果より、C-CPEを用いた新規吸収促進法の開発、さらにはタイトジャンクション開口に関与する因子を同定するためのツールとして、これら置換体C-CPEを用いた検討が可能になると考えられる。
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Research Products
(4 results)