2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機カチオン輸送系ピリラミントランスポーターの分子実体の解明と薬物認識性評価
Project/Area Number |
19590161
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
出口 芳春 Teikyo University, 薬学部, 教授 (40254255)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄倉 崇 帝京大学, 薬学部, 講師 (80326123)
|
Keywords | 血液脳関門 / トランスポーター / 有機カチオン性薬物 / ピリラミン / モノアミン / PMAT / OCTN2 / TR-BBB13 |
Research Abstract |
本研究の目的は、有機カチオン輸送系ピリラミントランスポーターの血液脳関門における分子実体と輸送特性を明らかにすることであった。 本年度の研究成果は次の通りである。1)ラット血液脳関門細胞TR-BBB13細胞において、[3^H]ピリラミンおよび麻薬性鎮痛薬オキシコドンの輸送機能を測定したところ、輸送の親和性および輸送阻害様式に共通性がみられた。さらに、輸送の駆動力について検討した結果、[3^H]ピリラミンおよびオキシコドンの細胞内への取り込みは、共にロテノンやアジ化ナトリウムで阻害されるエネルギー依存性を示し、かつ細胞内外のプロトン分子と逆輸送されることがわかった。カチオン性薬物のオキシコドンは他の中枢性麻薬モルヒネに比べ脳移行性が高い。この原因はこれまで明らかでなかったが、今回の結果から、オキシコドンはピリラミントランスポーターと共通の輸送系を介して担体輸送されることがわかった。また特筆すべき点は、ピリラミントランスポーターがプロトンを駆動力とする逆輸送特性があることを初めて明らかにできたことである。これらの結果に基づき、ピリラミントランスポーターの分子実体を明らかにするため、TR-BBB13細胞において既知カチオントランスポーターの遺伝子量を定量的PCR法を用いて測定した。その結果、2)血液脳関門細胞(TR-BBB13)においてL-カルニチンを内因性基質とするOCTN2の高い発現がみられた。さらに、近年、plasma membrane monoamine transporter(PMAT)が神経終末部に発現しし、ドパミン、セロトニン、ノルエピネフリンなどのモノアミンのリサイクルに関わるトランスポーターとして機能していることが報告された。このPMATはTR-BBB13細胞においても、OCTN2に匹敵する程の量が発現していることがわかった。次年度は PMAT強制発現系を作製し、カチオン性薬物の認識性を評価する予定である。
|
Research Products
(6 results)