2008 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎の皮膚常在微生物を指標とした治療反応予測因子の系統的検出
Project/Area Number |
19590164
|
Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
杉田 隆 Meiji Pharmaceutical University, 薬学部, 准教授 (10312076)
|
Keywords | アトピー性皮膚炎 / 皮膚錠剤微生物叢 / 反応予測因子 / 診断 / 治療 |
Research Abstract |
現在のアトピー性皮膚炎に対する治療は抗炎症効果を期待したものであり、アレルゲンに対する根本的治療法ではない。増悪因子は患者様様であるが、酵母マラセチア菌はアトピー性皮膚炎患者共通のアレルゲンであることから、これを標的とした治療には普遍性が期待できる(特色・独創的)。申請者のこれまでの一連の研究結果から皮膚微生物を標的とした治療は有用であることを薬学的に証明してきた。アレルゲンとしての患者個別の皮膚微生物を解析することで、患者個別の治療法を提供することが可能となり、本法の治療効果および患者QOLの向上に寄与できる。 本年度はアトピー性皮膚炎患者の背景と皮膚微生物叢(真菌Malassezia)およびMalassezia特異IgE抗体との関係について検討した。診断基準に従い、皮診部(頭頸部)の重症度を軽症、中等度および重症に分類し、当該患者の菌叢をreal-time PCRで定量した。いずれの重症度でもM.globosaおよびM.restrictaが主要構成菌種であったが重症度によりその比率は有意に変化した。すなわち重症化に伴ってM.globosaの比率が上昇した。また、Malassezia特異IgE抗体値は、重症化に従って上昇し、さらにメジャーな菌叢に対する抗体値はマイナーな菌叢に対するそれよりも高値を示した。従って、皮膚微生物叢、真菌Malasseziaは重症度と相関することが判明した。
|
Research Products
(11 results)