2007 Fiscal Year Annual Research Report
培養系を用いた中胚葉組織(平滑筋、骨格筋)分化機構の解明
Project/Area Number |
19590173
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鳥橋 茂子 Nagoya University, 医学部, 教授 (90112961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥田 朋子 名古屋学院大学, 人間健康学部, 准教授 (20223050)
石田 和人 名古屋大学, 医学部, 講師 (10303653)
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Keywords | 平滑筋 / 骨格筋 / PDGF / BMP / C2C12 / マウスES細胞 / ミオシン重鎖 / 中胚葉 |
Research Abstract |
1.消化管平滑筋層の発生 マウス胎児の腸管を用いて平滑筋層の発生研究を行なった。その結果、PDGFシグナル系が一過性に筋層分化予定域に発現することを明らかにした。胎生13日(E13)以降、発生しつつある内輪走筋層がPDGF-AおよびPDGF-Cを発現していた。また壁内神経細胞がPDGF-Bを発現していた。従って、外縦走筋層が分化する領域はPDGFが豊富に集積していた。また、外縦走筋が分化するE13からE14にかけて、一過性に将来外縦走筋細胞になる細胞がPDGF receptor(PDGFr)を発現していた。器官培養を行い、PDGFの阻害剤を添加したところ、外縦走筋細胞の分化が抑制された。従って外縦走筋の分化にPDGFが必要とされることを実験的に確認した。これらの結果を別紙のとおり国内、国際学会で発表し、英語論文も受理された。さらにBMPシグナルが平滑筋層の分化に関わることも明らかにし、学会発表および論文投稿の準備を行なっている。 2.マウスES細胞を用いた骨格筋の形成研究 マウスES細胞から骨格筋細胞を形成させ、すでに筋芽細胞として樹立されているC2C12細胞とその分化過程を比較した。その結果、ES細胞から骨格筋を分化誘導するとmRNAレベルで骨格筋に特異的な転写因子の発現が見られ、最終的に収縮運動を伴った高度に分化した骨格筋細胞が得られた。また細胞内にミオシン重鎖の規則的な重合が見られ、in vivoの骨格筋と相同のバンド構造を示した。一方C2C12はmRNAの発現は認められたが、最後まで収縮は生じず、ミオシン重鎖の重合によって形成されるバンドも見られなかった。以上の結果を学会報告および論文投稿する準備を行なっている。
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Research Products
(9 results)