2008 Fiscal Year Annual Research Report
培養系を用いた中胚葉組織(平滑筋、骨格筋)分化機構の解明
Project/Area Number |
19590173
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鳥橋 茂子 Nagoya University, 医学部, 教授 (90112961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 和人 名古屋大学, 医学部, 講師 (10303653)
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Keywords | ES細胞 / 間葉系幹細胞 / 平滑筋 / 骨格筋 / ペースメーカー細胞 / BMP / PDGF / CD105 |
Research Abstract |
1. マウスES細胞を用いて「間葉系幹細胞」を形成する方法を確立した。「間葉系幹細胞」は骨髄にごく少数存在することが知られているが、近年脂肪組織中にもより多く分布することがわかり、ヒトを含む動物の脂肪組織から「間葉系幹細胞」を抽出する方法が数多く報告されている。しかし、様々な細胞種が混在する中から高純度で幹細胞のみを選別するのは難しい。そこで、われわれはES細胞を脂肪細胞へと分化誘導する過程で「間葉系幹細胞」が出現するであろう事を想定し、これを収集することを試みた。その結果、CD105(Endoglin; TGFβ type II receptor)を指標として、91.4%の高純度で「間葉系幹細胞」を収集できた。この幹細胞は骨格筋、骨、軟骨、脂肪への分化誘導が可能で脂肪組織由来の「間葉系幹細胞」に相当するものであることが確認できた。(投稿準備中;特許出願) 2. マウス消化管筋層に分布するペースメーカー細胞(interstitial cells of Cajal:ICC)と外縦走筋の分化にPDGFシグナル系が深く関わることを証明した。マウス胎児の消化管を器官培養し、PDGFシグナルを阻害すると、外縦走筋の分化が抑制され、これに伴って未分化ではあるがICCに類似の細胞が増えることを示した。(論文発表) 3. 腸管のペースメーカー細胞(ICC)と外縦走筋はc-Kitを発現する共通の前駆細胞(間葉系細胞)から分化する。しかしICCを除くと、その分化にc-Kitシグナルを必要としない。そこで、この間葉系細胞の増殖に必要なシグナルを探索し、BMP2が深く関わることをみいだした。(論文発表)
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