2007 Fiscal Year Annual Research Report
内耳の領域化及び形態形成を制御する遺伝子の同定と機能解析
Project/Area Number |
19590174
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
勝 賢二郎 Kumamoto University, 発生医学研究センター, 助教 (30363526)
|
Keywords | 解剖学 / 内耳 / 内リンパ管・嚢 / DAN / 発生・分化 |
Research Abstract |
1.耳胞背-内側領域におけるDANの発現制御 耳胞背-内側領域のDAN発現調節機構を調べるため、外来遺伝子導入、リコンビナントタンパク質およびシグナル伝達阻害剤を用いた実験をおこなった。機能抑制型Lef1、SHHタンパク質および活性型Smoにより、DAN発現が抑制された。FGF受容体阻害剤SU5402、MEK阻害剤U0126、Notchシグナル阻害剤DAPT処理による影響は見られなかった。以上より、耳胞背-内側領域のDAN現は、Wntシグナルによって活性化され、Shhシグナルによって抑制されることが示唆された。またFGFシグナルやNotchシグナルはDAN発現に影響しないことが示唆された。DAN発現に関して、既存の耳胞領域化モデルと一致する結果が得られた。このモデルが生物種間で保存された機構であることを裏付ける結果となった。 2.DANの下流因子の同定 耳胞にDAN siRNAを電気穿孔法により導入し、耳胞に発現する既知遺伝子約20種に関して発現変動の有無をin situhybridizationにより確認した。現時点では、既に報告済みのMsx1, Nkx5.1 以外に、発現が変動する遺伝子は得られていない。 3.Foxil cDNAのクローニング ニワトリのFoxil遺伝子を同定するため、データベースよりFoxilアイソフォーム2種とFoxilcの配列を検索し、これに基づいてPCRプライマーを設計した。3日目のニワトリ胚cDNA を鋳型としてPCRを行い、それぞれのDNA断片を得た。これらを用いて、複数の発生段階のニワトリ胚に対してin situ hybridizationをおこなったが、シグナルを検出することができなかった。Foxilはニワトリ胚の耳胞発生に関与しないことが示唆される結果となった。
|