2008 Fiscal Year Annual Research Report
内耳の領域化及び形態形成を制御する遺伝子の同定と機能解析
Project/Area Number |
19590174
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
勝 賢二郎 Kumamoto University, 発生医学研究センター, 助教 (30363526)
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Keywords | 解剖学 / 内耳 / 内リンパ管・嚢 / 発生・分化 / DAN |
Research Abstract |
1.DANの発現制御機構 耳胞の背-内側の領域化にはWnt-Dlx5経路が関与するため、この領域におけるDANの発現に対するDlx5の作用を調べた。Dlx5の発現ベクター(pCAGGS-Dlx5)を構築し、電気穿孔法により耳胞に遺伝子導入した。現時点ではDANの発現に影響はなかったため、抑制型Dlx5(pCAGGS-Dlx5-En)の使用を予定している。他にもGbx2,Pax2,Otx2の発現ベクターを構築しており、順次実験に用いる予定である。 2.耳胞におけるDlx5,Msx1の機能解析 DlxとMsxは、協調して細胞増殖・分化を制御することが示されており、両者のバランスの維持が内リンパ管・嚢形成に重要であると予想される。そこで、Dlx5とMsx1を過剰発現させ、耳胞細胞の形態変化・増殖・細胞死に対する効果を検討した。両遺伝子の発現ベクターを作製し(pCAGGS-Msx1)、ニワトリ胚の耳胞に電気穿孔法により導入した。現時点では、耳胞の形態に影響が見られていない。今後は両者の抑制型改変遺伝子を構築し、機能抑制実験を行い、その結果を元に、Dlx5-Msx1間相互作用の様式を考察したい。 2.Aquaporin cDNA のクローニング 前年度のFoxi1,1cに加え、ニワトリのAquaporinファミリー遺伝子、Aquaporin 1-5,7-9,11,12の10遺伝子についてPCRを行い、Aquaporin 2,5以外の8遺伝子のDNA断片を得た。ニワトリ胚に対しin situ hybridi zationを行い、発現パターンを調べた。このうち、Foxilcが耳胞発生に関して興味深い発現を示したため、その発現パターンの詳細な解析を進める予定である。
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