2009 Fiscal Year Annual Research Report
内耳の領域化及び形態形成を制御する遺伝子の同定と機能解析
Project/Area Number |
19590174
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
勝 賢二郎 Kumamoto University, 発生医学研究所, 助教 (30363526)
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Keywords | 解剖学 / 内耳 / 内リンパ管・嚢 / 発生・分化 / DAN |
Research Abstract |
1.耳胞におけるDANの発現制御機構 耳胞の領域化には、背側神経管由来のシグナルからDlx5,Gbx2を介する経路と、腹側神経管や脊索由来のシグナルからPax2,Otx2を介する経路が関与すると考えられており、これら転写因子群がDAN発現を制御する可能性がある。これを検証するだめ、Dlx5,Gbx2,Pax2,Otx2の発現ベクターを構築して電気穿孔法により耳胞に導入し、DANの発現変動をin situ hybridizationにより検出した。その結果、Gbx2とOtx2がDANの発現を抑制することが判った。Gbx2とDANの発現領域は重複するため、DAN発現の活性化にはGbx2の効果を打ち消す作用をもつ因子が必要であることが示唆された。 2.内リンパ管・嚢形成におけるD1x5,Msx1の機能解析 D1xとMsxば、協同して細胞増植・分化を制御ることが示されており、両者のバランスの維持が内リンパ管・嚢形成に重要であると予想される。そこで、Dlx5.Msx1両遺伝子の発現ベクターを作製し、ニワトリ胚の耳胞に電気穿孔法により導入し、内耳の領域特異的な遺子現が変動するか否かを調べたが、Dlx5,Gbx2,Pax2,0tx2,DANの発現には影響を与えなかった。 3.ニワトリ胚耳胞に発現する遺伝子の発現解析 Foxi1とAqudporinに加えて、Angiopoietin-1ike protein 1,2,3,4,7のcDNAをクローニングし,発現パターンを解析したところ、Angiopoietin-1ike protein4が背側耳胞に発現することを見出し、新たな領域特異的マーカー遺伝子を発見することが出来た。
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