2007 Fiscal Year Annual Research Report
雌性外生殖器のリモデリングにおけるセマフォリンの新規作用機構の解明
Project/Area Number |
19590178
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
湯川 和典 Wakayama Medical University, 医学部, 講師 (20301434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 哲二 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (80275255)
上山 敬司 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50264875)
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Keywords | 発生学 / 形態形成学 / 組織リモデリング / セマフォリン / アポトーシス |
Research Abstract |
マウスは5週齢で性ホルモン分泌の急増に伴い皮膚近傍の膣末端部にアポトーシスが誘導される結果、膣腔が皮膚に貫通し(膣開口)、生殖器発達が完成する。しかし、この生後の組織リモデリング現象において、性ホルモン作用からアポトーシスに至るメカニズムの詳細は不明のままであった。 私共の解析から、セマフォリン分子群に属するセマフォリン4D(Sema4D)の欠損マウスでは、膣開口が起こらず膣閉鎖が発生することが判明した。セマフォリン(Semas)は従来、神経成長円錐の伸長方向を決める軸索ガイダンス分子として同定されてきたが、免疫機能や血管新生など多彩な作用を発揮する。膣閉鎖の原因を探る解析から、5週齢マウス膣末端部の膣上皮で検出されるアポトーシス細胞が、膣閉鎖を有する同週齢Sema4D欠損マウスで顕著に減少していることが判った。Sema4Dのアポトーシス誘導作用を証明するため、Sema4D欠損マウス由来の培養膣上皮細胞にレコンビナントSema4Dを添加するとアポトーシス細胞が有意に増加することが判明した。さらに、Sema4Dのアポトーシス誘導作用に関わる受容体を同定するために、Plexin-B1受容体特異的small interfering RNA(siRNA)発現レンチウイルスにて培養膣上皮細胞のPlexin-B1受容体発現をノックダウンすると、Sema4Dによるアポトーシス誘導が有意に減弱することが判った。またPlexin-B1受容体欠損マウス由来の培養膣上皮細胞ではSema4Dによるアポトーシス誘導が正常膣上皮細胞と比較し有意に減弱することも判明した。従ってSema4Dは5週齢マウス膣上皮のPlexin-B1受容体に結合しアポトーシスを誘導する結果、性ホルモン変化から惹起される組織リモデリング現象にnon-redundantな役割を担うことが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Novel mode of action for axon guidance molecules, semaphorins in tissue remodeling of mouse famale genital organ2008
Author(s)
Li Li, Yukawa K, Bai T, Tanaka T, Waki H, Kohsaka A, Ueyama T, Kumanogoh A, Kikutani H, Maeda M
Organizer
第85回日本生理学会総会
Place of Presentation
東京
Year and Date
2008-03-25