2008 Fiscal Year Annual Research Report
雌性外生殖器のリモデリングにおけるセマフォリンの新規作用機構の解明
Project/Area Number |
19590178
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
湯川 和典 Meijo University, 薬学部, 教授 (20301434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 典子 名城大学, 薬学部, 助手 (80076728)
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Keywords | 発生学 / 形態形成学 / 組織リモデリング / セマフォリン / アポトーシス |
Research Abstract |
マウスは5週齢の性ホルモン分泌急増に伴い皮膚近傍の膣末端部にアポトーシスが誘導され、膣腔が皮膚に貫通し(膣開口)、生殖器発達が完成する。しかし、この組織リモデリング現象において性ホルモン作用からアポトーシスにいたるメカニズムは不明のままであった。私どもの研究からセマフォリン分子群に属するセマフォリン4D (Sema4D)の遺伝子欠損マウスでは膣開口が起こらず5週齢マウス膣末端部におけるアポトーシス細胞数が顕著に減少することが判明した。またSema4Dの膣上皮細胞に対するアポトーシス誘導作用が証明され、Plexin-B1受容体の関与が示唆された。次に初代培養膣上皮でR-Ras機能やRhoキナーゼ活性を抑制しアポトーシス誘導に関わる細胞内シグナル伝達経路を解析した結果、Rhoシグナル伝達系の重要性が明らかとなりセマフォリンによるアポトーシス誘導機構解明の手掛かりを得ることができた。さらに5週齢のエストロゲン急増の時期にSema4Dシグナルが増強される仕組みを明らかにするため、5週齢前後の膣組織についてPlexin-B1受容体のウェスタン・プロットを行った結果、4〜5週齢ではシグナル増強型のみが検出され8週齢では前駆体のみが検出された。そのため性ホルモン分泌が急増し膣開口の起きる4〜5週齢の膣組織ではPlexin-B1は活性型として存在し生殖器発達が完成する8週齢ではPlexin-B1は不活性化されることが判った。また4〜5週齢の膣組織でproprotein convertaseのPACE4を検出した。従って性ホルモン分泌急増に伴いPACE4などのproprotein convertaseによりPlexin-B1が切断されシグナル増強型に変換しSema4Dのアポトーシス誘導作用が出現することが示唆された。
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Research Products
(5 results)