2007 Fiscal Year Annual Research Report
口蓋裂におけるCYP26B1(レチノイン酸不活化酵素)の役割
Project/Area Number |
19590181
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
坂井 靖夫 Fujita Health University, 医学部, 准教授 (50272315)
|
Keywords | 口蓋裂 / レチノイン酸 / CYP26 / 遺伝子改変マウス / 発生 |
Research Abstract |
口唇口蓋裂は、約500人に1人の割合で生じる、最も頻度の高い先天異常の1つである。研究代表者は藤田保健衛生大学・唇顎口蓋裂センターの一員として臨床に従事するとともに口蓋裂の発生原因の探求にも精力を注いでいる。従来からレチノイン酸と口蓋形成の関連が指摘されてきたが、Cyp26b1(レチノイン酸不活化酵素)ノックアウト(KO)マウスには、100%の割合で口蓋裂が生じる。本研究の目的は、口蓋裂発生におけるレチノイン酸の役割をCyp26b1KOマウスを用いて解析することである。 Cyp26b1(+/-)マウス、内在性レチノイン酸のレポーターマウスであるRARE-lacZマウスを大阪大学生命機能研究科・濱田博司教授より分与され、繁殖維持している。口蓋発生の解析は、京都大学生体構造医学講座・塩田浩平教授および岡野純子研究員と共同で行っている。胎生11.5日に母体にレチノイン酸投与すると、Cyp26b1KOマウスと近似した表現系を誘発できた。Cyp26b1欠損により、口蓋突起の内胚葉部のレチノイン酸濃度が上昇して口蓋突起の挙上〜癒合が妨げられることが判明した。また口蓋裂発生の外因的要素である舌筋発生にも異常がみられた。今後、両者の異常を説明するため、転写因子であるTbx1に注目して解析を進めて行く予定である。
|