2007 Fiscal Year Annual Research Report
消化管筋層における間質細胞のネットワークと運動制御機構
Project/Area Number |
19590187
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
飯野 哲 University of Fukui, 医学部, 准教授 (40242854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 和秀 福井大学, 医学部, 助教 (20377451)
伊藤 哲史 福井大学, 医学部, 助教 (90334812)
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Keywords | 消化管 / 間質細胞 / 非カハール間質細胞 / カハール介在細胞 / 消化管神経系 / Wミュータント / c-Kit / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
消化管筋層においてペースメーカー機能や神経伝達の仲介機能を持つカハール介在細胞 (interstitial cells of Cajal, ICC)と、それとは別の細胞群である非カハール間質細胞(non-Cajal interstitial cell, NCIC)を比較検討した。 1.非カハール間質細胞を明確に同定するためにc-Kit遺伝子に異常を持つWミュータントマウスを自家繁殖させ解析し、従来より知られているW/Wvマウスと同様のカハール介在細胞欠損をWv/Wvマウスが示すことを明らかとした(Iino et al. 2007)。 2.非カハール間質細胞のマーカーと考えられるカリウムチャネルSK3に対するペプチド抗体を作製し、正常マウス、W/Wvマウス、Wv/Wvマウスを検索し、カハール介在細胞のマーカーであるc-Kitを発現していない別の細胞群にSK3が発現していることが明らかとなった(投稿準備中)。 3.神経伝達物質としての一酸化窒素シグナルの伝達経路を検討し、一酸化窒素の受容分子グアニレートシクラーゼが主としてカハール介在細胞、また一部の非カハール間質細胞に強く発現していることを明らかにした(Iino et al. 2008)。更に、一酸化窒素により産生される2次メッセンジャーcGMPがカハール介在細胞で誘導され、cGMP依存性キナーゼやcGMP特異的フォスフォジエステラーゼがカハール介在細胞に強く発現することを明らかにし、カハール介在細胞の一酸化窒素神経伝達における重要性を示した(投稿中)。
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