2008 Fiscal Year Annual Research Report
消化管筋層における間質細胞のネットワークと運動制御機構
Project/Area Number |
19590187
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
飯野 哲 University of Fukui, 医学部, 准教授 (40242854)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 和秀 福井大学, 医学部, 助教 (20377451)
|
Keywords | 消化管 / 間質細胞 / 非カハール間質細胞 / カハール介在細胞 / 消化管神経系 / Wミュータント / Kitチロシンキナーゼ / PDGF受容体α |
Research Abstract |
消化管筋層においてペースメーカー機能や神経伝達の仲介機能を持つカハール介在細胞(interstitial cells of Cajal, ICC)と、それとは別の細胞群である非カハール間質細胞(non-Cajal interstitial cell, NCIC)を比較検討した。 1. 非カハール間質細胞を明確に同定するためにc-Kit遺伝子に異常を持つWミュータントマウスを自家繁殖させ解析し、W/Wv、Wv/Wvマウスに加えwjicマウスを導入し、カハール介在細胞が欠損することを明らかにした。 2. 非カハール間質細胞にPDGF受容体αが特異的に発現し、SK3カリウムチャネル発現も同時に見られることを明らかにした。Wミュータントの解析から非カハール間質細胞はカハール介在細胞とは独立して発生し、カハール介在細胞よりも多数が筋層内に存在することが明らかとなった(Iino et al. in press) 3. 神経伝達物質としての一酸化窒素シグナルの伝達経路を検討し、一酸化窒素の受容分子グアニレートシクラーゼが主としてカハール介在細胞、また一部の非カハール間質細胞に強く発現していることを明らかにした(Iino et al. 2008)。更に、一酸化窒素により産生される2次メッセンジャーcGMPがカハール介在細胞で誘導され、カハール介在細胞の一酸化窒素神経伝達における重要性を示した(Iino et al. in press)。またcGMP依存性キナーゼやcGMP特異的フォスフォジエステラーゼがカハール介在細胞に強く発現し、一連のシグナル伝達系が発現していることを明らかにした(論文投稿準備中)。
|
Research Products
(6 results)