2008 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪酸の細胞機能制御因子としての脂肪酸結合タンパク(FABP)分子
Project/Area Number |
19590189
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
大和田 祐二 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 教授 (20292211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 信子 山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70227578)
安達 泰弘 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10346546)
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Keywords | FABP / マウス / 脳 / 肥満細胞 / 表皮細胞 |
Research Abstract |
FABP分子群の生体機能を明らかにすべく、細胞内シグナル伝達系の制御への関与とその機構、脂肪酸代謝物であるエイコサノイドの産生系への関与と活性の制御、等について焦点を当てながら検証を加えた。その結果、(1)表皮型FABP分子が、マウス肥満細胞において、LPS誘導TNFα産生経路にポジティブに関与していることが判明した。野生型に比べて、E-FABPノックアウトマウス由来の肥満細胞では、TNFαの産生が低下しており、その低下はアラキドン酸(AA)の添加の有無にかかわらず観察された(Yamamto et al., Prost Leuko Ess Fatty Acids,2008)。(2)表皮型FABP分子が、マウス表皮細胞においてリノール酸の代謝制御を介して、早期分化過程に関与していることが判明した。E-FABPノックアウトマウス由来の培養表皮細胞を用いて、必須脂肪酸であるリノール酸の取り込みを検討したところ、野生型表皮細胞に比べて、約30%の低下を示した。さらに、細胞内のリノール酸およびリノール酸代謝物である13-HODEの量を計測したところ、両者ともノックアウトマウスで有意な低下が認められた。(3)脳型FABP分子が、マウスアストロサイトの脂肪酸代謝を介して、精神神経疾患の病態に関与していることが判明した。B-FABPノックアウトマウスに対して、prepulse inhibition(PPI)を測定したところ、野生型マウスに比べて、PPIが障害されていることが判明した。
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