2008 Fiscal Year Annual Research Report
発生運動ニューロンの時間的・空間的に特異的な標識法の検討
Project/Area Number |
19590192
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 昇 Niigata University, 医歯学系, 教授 (00254756)
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Keywords | 運動ニューロン / ニワトリ胚 / 生体エレクトロポレーション法 / 遺伝子導入 / 神経回路形成 |
Research Abstract |
運動ニューロンの形成・構築の過程を明らかにするために、レポーター遺伝子を運動ニューロン特異的エンハンサー・プロモーター領域に連結した遺伝子を発育鶏胚に導入することで、どのように発生運動ニューロンの標識を行うことができるのか昨年度から検討を行ってきた。運動ニューロン特異的発現を誘導するためのエンハンサー・プロモーター領域としてislet-1やHB9遺伝子の転写調節領域をレポーター遺伝子(GFP及びアルカリフォスファターゼ)に連結した発現ベクターを用いて、これらのコンストラクトを孵卵開始2.5〜3.5日(ステージ14〜18前後)の鶏胚神経管へ注入して生体エレクトロぽレーション法による遺伝子導入を行い、その後胚の発育を続け、孵卵開始3〜6日(ステージ19〜28前後)ほどで解析を進めた。その結果、GFP及びアルカリフォスファターゼのいずれのレポーター遺伝子を用いても体性運動ニューロンの神経線維がその伸長し始める時期からはっきりと発育鶏胚で標識される条件を決定し、脊髄神経叢の形成を観察することに成功した。鶏胚においては、腕神経叢はCl3-T1の4分節で構成されるが、Cl5を中心として,Stage21から腕神経叢の形成が始まり,Stage23において完成することが確認された。Stage24以後は,完成した神経叢から,神経芽(軸索)が正中神経として末梢へ向かって伸長して行く様子も明らかになった。今後この方法を用いることで、特定の分子の運動ニューロン回路形成における機能を明らかにすることが期待される。
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Research Products
(3 results)