2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞質に局在する核内受容体転写共役因子TRAM-1の新たな機能の解析
Project/Area Number |
19590198
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
右高 潤子 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 研究技術員 (40398962)
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Keywords | 組織学 / 核内受容体 / 転写共役因子 |
Research Abstract |
核内受容体は、ステロイドホルモンをはじめ甲状腺ホルモン、ビタミンA,Dなどのリガンド依存性の転写調節因子であるといわれ、リガンド結合後様々な因子と複合体を形成し、転写調節シグナルを伝達する。因子の一つ、転写共役因子のp160は、SRC-1,TIF2、TRAM-1の3種類が知られているコアクチベータである。正常雄ラット生殖器における各p160の発現・分布を免疫染色によって調べたところ、SRC-1およびTIF2は核に発現していたが、TRAM-1は細胞質に発現している組織もあることが見出された。この事から、TRAM-1には細胞質において転写共役因子以外の特別な機能があるのではないかと推察した。本研究では、TRAM-1の細胞質における新しい機能を調べることを目的とし、そのためにラット下垂体培養細胞MtT/Sを用い、TRAM-1が細胞質でどのような物質と相互作用しているのか調べることを目的とする。 実験は、RNAiによるTRAM-1のノックダウンと、ノックダウンされた影響がどのタンパクに及ぼされるのかを質量分析により検索する。19年度は下垂体培養細胞MtT/SにおけるRNAiの方法確立を手がけた。現在いくつか知られるRNAiの方法のうち、インターフェロン応答やオフターゲット効果が最低といわれる合成siRNAを用いた方法で実験を行った。細胞へのsiRNA導入の濃度や培養時間等、条件を試行錯誤し、その効果の確認はリアルタイムPCRおよび免疫染色にて行った。しかし十分なsiRNA導入効果が得られず、その原因は細胞の性質にあると考えられた。現在、細胞や合成siRNAの性質によらず、安定したノックダウン効果が得られると言われる、レンチウィルスベクターを用いた方法に変更し検討を行っている。
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