2007 Fiscal Year Annual Research Report
活動依存的脳血流調節における皮質細血管の役割と分子機構
Project/Area Number |
19590203
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
山田 勝也 Hirosaki University, 大学院・医学研究科, 准教授 (40241666)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 雅彦 北海道大学, 医学研究科, 教授 (70210945)
|
Keywords | 脳血流調節 / 活動依存証 / ATP / Kチャネル |
Research Abstract |
脳活動のエネルギーを支える血流は個々の脳領域の興奮レベルに応じて局所的に調節されることが知られているが、その分子機序や詳細は未だ明らかでない。本研究では血管平滑筋型ATP感受性カリウム(K_<ATP>)チャネルのチャネルポアサブユニットであるKir6.1を欠失させた(KO)マウスを用いた実験により、同分子と脳血流調節の関係ならびに皮質細血管の機能的役割についてin vivoならびにin vitroで解析している。これまで血流計測や組織学的解析を中心に研究を進めてきたが、19年度は脳血管を選択的に可視化したマウス、およびKir6.1を欠失し、かつ血管が可視化されたマウスの作成に成功し、両マウスの脳スライスを作成して、スライス内の細血管を高速シングルポイントスキャンリアルタイム共焦点顕微鏡を用いた3次元観察にも成功した。Kir6.1分子の局在を特異的に認識する特異抗体の作成およびin situ hybridizationにも取り掛かり、成果が得られた。20年度は最終年度にあたり、これまでの研究成果を論文としてまとめる作業に入っている。本論文では活動依存的な脳血流調節に対して、脳実質内の特定のタイプの血管がどのような関与をしているかというその一端を空間的時間的に示し、また局在も含めて混沌としているKir6.1含有チャネルの脳血管系に対する意義についても論じることを目指している。本研究の成果が将来ヒトの非侵襲的脳機能計測の解釈や新しい原理の考案など脳科学の展開に役立つことを願っている。
|
Research Products
(6 results)
-
[Journal Article] ABCA2 deficiency results in abnormal sphingolipid metabolism in mouse brain.2007
Author(s)
Sakai, H., Tanaka Y., Tanaka M., Ban N., Yamada, K., Matsumura Y., Sasaki M., Kita, T., Inagaki, N.
-
Journal Title
J. Biol. Chem. 282
Pages: 19692-19699
Peer Reviewed
-
-
-
-
-