2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 倫子 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特任講師 (60332178)
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Keywords | 細胞・組織 / 糖尿病 / 可視化 |
Research Abstract |
インスリンの分泌不全は、我が国を含むアジア系諸国において、2型糖尿病の成因に深く関わっている。インスリンは他のホルモンや神経伝達物質同様に、脂質二重膜に囲まれた顆粒の中に蓄えられている。そして、刺激依存的に細胞外に放出される。分泌の最終過程にあたる開口放出においても、異常の存在する可能性が、ヒト膵島における検討、あるいは糖尿病モデルマウスの検討から示唆されている。我々は2光子励起顕微鏡を用いて、膵島標本内におけるインスリン分泌と関連分子の動態を実時間解析した。そして、分泌準備段階にあたる顆粒の動員機構や細胞膜側の因子の解析を進めてきた。 SNAP25に二種類のGFP変異蛋白を融合して分子内FRETプローブを作製した。FRET値は、二種類の細胞膜性SNARE蛋白質(SNAP25とSyntaxin 1 A)のヘテロニ量体化を反映する事を、生化学的実験より確認した。生体組織に本プローブを発現させたところ、FRET値は膵島β細胞の表面で勾配を作製し、分泌量や分泌の速度に強く関連する事を見出した。高い分泌能を有する細胞膜側因子の性質を明らかにするために、次にSyntaxinの分布の検討に移った。具体的には、光活性化型GFP(PAGFP)で標識したSyntaxir 1 Aの細胞発現ベクターを作製し、任意のタイミングと領域で光活性化を行う実験系を確立した。さらに、免疫染色法あるいは発現ベクターを用いて、Syntaxinの発現量とFRET値との関連を検討する実験系を立ち上げた。高FRET領域と低FRET領域における本分子の動態の違いを可視化し、検討を続けている。
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Research Products
(9 results)