2008 Fiscal Year Annual Research Report
L型CaチャネルのCa依存性促通と不活性化の分子機構
Project/Area Number |
19590210
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
亀山 正樹 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60150059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢澤 和人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (90212274)
蓑部 悦子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00448581)
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Keywords | Caチャネル / 心筋細胞 / パッチクランプ / カルモジュリン |
Research Abstract |
L型Caチャネルの調節機構は複雑多岐で、未解明の部分が多い。心筋のL型Caチャネルは、心筋の収縮活動、受容体を介する蛋白キナーゼ活性やCaシグナリングにより調節されており、カルモジュリン(CaM)やCaM依存性蛋白キナーゼII(CaMKII)が重要な役割を果たしていると考えられている。本研究では、チャネル活動に対するCaMやCaMKIIの作用機序をCa依存性促通と不活性化との関連で解明することを目的としている。本年度は、以下の成果を得た。1)心筋L型Caチャネルの活動に対するCaMの作用機構について、変異CaMの効果をパッチクランプ法により調べた。その結果、CaM12(N-lobeのみのCa結合能を無くした変異体)とCaM34(C-lobeのみのCa結合能を無くした変異体)共にCaM1234(全てのCa結合能を無くした変異体)と同様の対チャネル作用を示した。これより、CaMのCa依存性作用には、N-lobeとC-lobeとの両者が必要であると示唆された。2)Caチャネルに対するCaM作用へのCaMKIIによるチャネルリン酸化の影響を調べた。その結果、チャネルC末部にCaMKIIのリン酸化部位があること、同部位のリン酸化によりCaMの結合が増加することが判明した。これらの結果は、Caイオン、CaM、CaMKIIが複雑かつ協調的に作用してL型Caチャネルの活動を調節していることを示している。また、Ca依存性促通にはCa^<2+>/CaMの直接作用とCaMKIIによるリン酸化の両者が関与し、不活性化には主にCa^<2+>/CaMが関与するという仮説を支持する。
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