2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590211
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鈴木 光 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (80037548)
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Keywords | 胃平滑筋 / 自発活動 / 膜電位 / カハール細胞 / 消化管活動 / 歩調とり細胞 / ミトコンドリア / カルシウムイオン |
Research Abstract |
胃を構成する平滑筋の膜性質は均一ではなく、静止膜電位は噴門部で浅く(〜-50mV)幽門部で深い(〜-70mV)。胃幽門部平滑筋の自発活動には電位依存性があり、脱分極で速くなり過分極で遅くなることを我々は報告している。一方、自発活動の頻度は胃の部位により異なり、体部で最も速く、幽門部に行くにしたがって遅くなる。そこで、胃平滑筋の自発活動の膜電位依存性の部位による差異について検討した。自発活動は胃のどの部位でも見られ、膜を脱分極させると頻度は増大し、過分極させると頻度は低下したので、活動頻度の部位差の一部は膜電位に依存していることがわかった。摘出胃小標本を用いて、2本電極法により通電を行い、細胞膜電位を一定値に揃えて自発活動の頻度を比較したところ、同じ電位においても自発活動には部位差が見られたので、膜電位以外にも興奮の頻度を規定する未知因子があることがわかった。特に、歩調とり部位といわれる胃体部における平滑筋の自発活動頻度の膜電位依存性については詳しく調べたが、他の部位と比較し特徴的な性質は見られなかった。胃体部は胃運動の歩調とり細胞といわれているカハールの介在細胞(ICC)の分布が幽門部と異なることが報告されているが、自発活動の頻度とICCの関係で特徴的な事項は認められなかった。また、自発活動発生に重要な役割をもつミトコンドリアと筋小胞体(細胞内カルシウム貯蔵部位)の関与についても調べたが、部位による自発活動頻度の差異をうまく説明できなかった。
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