2007 Fiscal Year Annual Research Report
AMPA受容体traffickingにおけるO-GlcNAc化の分子制禦機構
Project/Area Number |
19590218
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
西崎 知之 Hyogo College of Medicine, 医学部, 教授 (00221474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 徹 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (60131588)
山本 英幸 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70373529)
矢口 貴博 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (30434947)
菅野 武史 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (20434946)
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Keywords | AMP受容体 / Trafficking / O-GlcNAc化 / 燐酸化 / siRNA |
Research Abstract |
(1)AMPA受容体反応に対するアロキサンの効果AMPA受容体サブユニットGluR1をアフリカツメガエル卵母細胞膜に発現させた。Two-electrodevoltag-clamp法を用いてカイニン酸によって誘発されるGluR1電流を測定した。GluR1反応はO型N-アセチルグルコサミン化(O-GlcNAc化)転移酵素の阻害剤であるアロキサン処理後80分で約150%の増大を認めた。 (2)長期増強現象(LTP)に対するアロキサンの効果ラット海馬切片のCA1領域よりfield EPSPを記録した。LTP維持相において、アロキサン処理群はコントロール群と比較して約75%の増大効果が認められた。 (3)AMPA受容体traffickingに対するアロキサンの効果ラット海馬切片をショ糖密度勾配遠心法で分画し、抗GluR1抗体、抗GluR2抗体を用いてウェスタンブロッティングした。アロキサン存在下でLTPが誘導された海馬切片におけるGluR1、GluR2細胞内分布はともに,コントロール群の分布と比較して細胞膜分画(ラフト含有分画)に移行していた。 以上の結果は、O-GlcNAc化抑制によりAMPA受容体の細胞膜上の発現が増加し、それがAMPA受容体反応増大ならびにLTP発現促進の誘因となることを示唆している。従って、O-GlcNAc化はAMPA受容体エンドサイトーシスの促進シグナルとなる、あるいはAMPA受容体燐酸化は細胞膜へのAMPA受容体輸送シグナルとなる、という2つの可能性が推定できた。 ※O-GlcNAc化はserine/threonine kinaseによって燐酸化される部位と同一の部位で起こる。
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