2008 Fiscal Year Annual Research Report
容積感受性クロライドチャネル活性化の分子レベルでの解析
Project/Area Number |
19590219
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 信之 Kyoto University, 農学研究科, 助教 (50370135)
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Keywords | イオンチャネル / 活性化メカニズム / 細胞容積 / クロライドイオン / リン酸化 |
Research Abstract |
容積感受性Clチャネル(VSOR)は、細胞の生存・増殖等に必須な細胞容積制御機構に関与する極めて重要なイオンチャネルであるが、その活性化機構はもとより、分子実体も同定されていない。しかし近年、電位依存性KチャネルKCNQのβサブユニットであるKCNElを初めとして、複数のタンパク質・シグナル伝達系がVSOR活性化機構を制御するものとして同定されている。そこで本申請課題では、VSOR活性化の分子メカニズムを明らかにするために、RNAiによる遺伝子ノックダウン技術などを用いて、新たに「調節性容積制御機構に関与する新規タンパク質・シグナル伝達系の同定」を試みた。 既に報告されているVSOR活性化調節タンパク質であるKCNElに関して、siRNAによるノックダウン実験を行ったが、KCNElのノックダウンではRVDに変化はなく、またHeLa細胞でのKCNElの発現レベルが極めて低かったため、HeLa細胞においてVSOR活性化はKCNElで制御を受けていない可能性が考えられた。そこで様々なアポトーシス刺激や活性酸素種(ROS)によりVSORが活性化されることから、アポトーシスシグナルキナーゼ(ASKl)に着目し、そのVSOR活性化への関与を検討した。しかしASKlの場合も、siRNAによるノックダウンでAVDに変化は認められず、アポトーシス誘導に関与すると考えられているMAPキナーゼであるJNKの活性化のみが抑制された。VSOR活性化によるAVDの下流シグナルも、上流シグナルと同様に、明確にされていなかったため、AVDとASKlおよびJNKの活性化との関連を、各種阻害剤を用いた実験等で、AVDによりASKlが、次にJNKが活性化されることで、アポトーシスが誘導されることを明らかにした。
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