2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内Ca^<2+>センサータンパク質NCS-1の心臓における生理機能の解明
Project/Area Number |
19590220
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
西谷 友重 National Cardiovascular Center Research Institute, 循環分子生理部, 室長 (50393244)
|
Keywords | カルシウムセンサー / 心筋収縮 / 心疾患 / サバイバル / シグナル伝達 |
Research Abstract |
心臓において、持続的な細胞内Ca^<2+>濃度増加は細胞死の引き金となるが、逆にCa^<2+>はある種のCa^<2+>結合タンパク質を活性化することで心筋保護的にも働き得る。NCS-l(Neuronal Ca^<2+> sensor-1/Frequenin)は神経など興奮性細胞特異的に発現する、分子量22kDaのEFハントCa^<2+>センサータンパク質であり、神経機能に重要な役割を担っていると考えられてきた。申請者らは以前の研究により、NCS-1がある種のイオンチャネルの制御因子であることを初めて証明し、また傷害神経において発現誘導されるサバイバル因子としても働くという新規の機能を明らかにしてきた。興味深いことに、NCS-1は神経のみならず特に未成熟期の心臓にも神経なみに高発現しており、形質膜にも高発現しているが、心臓におけるNCS-1の役割については現在までほとんど不明であった。そこで本申請では、新たな心機能調節因子としてのNCS-1の生理的・病態的意義を確定し、関連タンパク質との相互作用理解も含めたシグナル伝達経路を解明することを目的とした。平成19年度の研究により、 1)ドミナントネガティブ変異体あるいはKOマウスによりNCS-1をノックダウンすると培養心筋細胞の自動拍動数が減少する。 2)KOマウス心筋細胞はストレスに対し弱い。 3)NCS-1の発現量は未成熟期のみならず、心肥大・心不全をひきおこすあるシグナルの活性化により増加する。これらの知見は、NCS-1が未成熟期の心筋収縮あるいはサバイバルに重要な役割をになっていることを示唆している。今後は、NCS-1がこれらシグナルにどう関連しているのかについて、特にKOマウスの解析およびNCS-1結合タンパク質の同定を行い解明していく予定である。
|
Research Products
(5 results)