2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内Ca^<2+>センサータンパク質NCS-1の心臓における生理機能の解明
Project/Area Number |
19590220
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
西谷 友重 National Cardiovascular Center Research Institute, 循環分子生理部, 室長 (50393244)
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Keywords | カルシウムセンサー / 心肥大 / サバイバル / シグナル伝達 |
Research Abstract |
NCS-1(Neuronal Ca^<2+> sensor-1/Frequenin)は、興奮性細胞特異的に発現するCa^<2+>センサーであり、イオンチャネル制御などを介して神経機能に重要な役割を担っている。NCS-1は神経のみならず特に未成熟期の心臓にも高発現しているが、心臓における生理機能についてはほとんど不明であった。本申請では、NCS-1の心臓における生理的・病態的意義を確定し、関連タンパク質との相互作用理解も含めたシグナル伝達経路を解明することを目的とした。その結果、 1)NCS-1は心臓の筋肉細胞に高発現し、細胞内局在は形質膜、核膜周辺および筋小胞体に集積していた。また病的な肥大心筋でも発現の上昇が認められた。2)NCS-1を心筋細胞に過剰発現させると、自動拍動の速さおよび細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]_i)が上昇したが、逆に3)KOマウス心筋では、血清除去などのストレス下においてこれらの顕著な低下が認められ、細胞死が早まった。 以上の結果は、Ca^<2+>センサーであるNCS-1が、形質膜や核膜周辺に存在するイオンチャネルなどの興奮性制御タンパク質との相互作用を介して心筋Ca^<2+>シグナルを調節し、様々な細胞応答、特に心臓の収縮機能、ストレス下における心筋サバイバル、また心肥大の誘発に重要な役割を担っていることを示唆している。現在、NCS-1が心肥大と深く関連するある種のイオンチャネルと結合する可能性が出てきた。今後はこれら2つのタンパク質の相互作用を確定し、細胞内Ca^<2+>動態、心肥大との関連を詳細に調べる予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article]2008
Author(s)
中村(西谷)友重, 古林創史, 久光隆, 岩田裕子, 若林繁夫
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Journal Title
Na^+/H^+交換輸送体:機能調節と薬物標的としての意義。遺伝子屠学MOOK12号「最新トランスポーター研究2008」((株)メデイカルドウ)
Pages: 255-260
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