2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590221
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 聡子 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 博士研究員 (80374247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
棚橋 祐典 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (50374228)
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Keywords | 行動学 / 概日リズム / 遺伝子 / 神経科学 / 身体運動 / 生体分子 / メラトニン / 生理学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、身体運動がヒト生物時計の同調因子として作用しているか否かを明らかにし、さらに身体運動に伴う様々な機能変化のどの要素がヒト生物時計に作用するのかを明らかにすることにある。すなわち、身体運動強度、及び身体運動の要素(代謝変化、体温変化、覚醒レベルの変化など)と生物時計の変化との関係を明らかにする。 健常成人17名を対象として、光の影響を排した低照度環境下で睡眠時間帯を8時間前進させ4日間固定する強制的内的脱同調、および引き続き時刻の手がかりを除いたフリーラン実験をおこなった(脱同調パラダイム)。主観的昼の前半と中頃にそれぞれ4時間の身体運動を負荷し、脳波的に判定した睡眠覚醒リズムと血中メラトニンリズムを指標としてリズム再同調速度を測定した。また実験期間中、深部体温を連続測定した。その結果、運動負荷群(n=9)、非負荷群(n=8)とも睡眠覚醒リズムは位相前進して新しい睡眠時間帯に再同調したが、血中メラトニンリズムは位相後退し、2つのリズムに内的脱同調が生じた。睡眠覚醒リズムの再同調は、運動非負荷群に比べ運動負荷群で有意に促進され、この差はフリーラン時にも持続した。一方、メラトニンリズムの位相には両群で差はなかった。脱同調した2つのリズムはフリーランの5日目にほぼ再同調した。再同調に際し、睡眠覚醒リズムが位相前進して再同調を達成した例が、運動負荷群、非負荷群にそれぞれ1名ずつ観察された。 以上の結果から、身体運動は睡眠覚醒リズムに作用して新しい睡眠時間帯への再同調を促進すると考えられるが、血中メラトニンリズムにはほとんど影響を与えず、内的脱同調の解消には至らなかった。しかし、統計学的検定で有意差がみられなかった背景には身体運動の効果における個体差があり、運動強度や運動に伴う身体機能の変化と生物時計の反応を精査する必要がある。
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Research Products
(2 results)