2008 Fiscal Year Annual Research Report
カロリー制限の抗老化機構:Neuropeptide Yと受容体サブタイプの解析
Project/Area Number |
19590227
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
下川 功 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70187475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 卓哉 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40336152)
山座 治義 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30336151)
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Keywords | 老化 / カロリー制限 / Neuropeptide Y |
Research Abstract |
カロリー制限(CR)の抗老化、寿命延長効果は、摂取カロリーの低下にともなう神経内分泌系の適応とそれに引き続くエネルギー代謝の変化、ストレス耐性が重要なメカニズムと考えられる。このメカニズムにおけるNeuropeptide Y (Npy)の役割を実証するために、Npyノックアウト(KO)マウスを自由摂食(AL)、CR下で飼育し、寿命や酸化ストレスに対する耐性をテストした。1)寿命:現在、寿命集団は、120週齢を超えたが、Npy-koマウスの生存率はAL,CRいずれの条件でも野生型マウスよりも低かった。2、グルコースーインスリン系の解析:CRはエネルギー(グルコース)摂取時、グルコースの組織取り込みとインスリンシグナルの活性化を変化させる。6ヶ月齢において採血し、血中インスリン、グルコース濃度を計測した。Npy-ko (-/-)では、摂食後、インスリン濃度が高いにもかかわらず、血中グルコース濃度が高く、CR下におけるグルコースーインスリン系制御におけるNpyの役割が示唆された。3、酸化ストレス耐性:CRの特徴である酸化ストレス耐性に着目し、ミトコンドリア呼吸鎖の複合体IIの阻害剤(3-NPA)を投与し、肝臓や脳における酸化ストレス誘導MAPKや遺伝子発現の変化について、現在、検討している。3-NPA高濃度投与による生存率は、CRで高まるが、koマウスではその効果が消失した。 以上の結果から、CRの抗老化効果には、Npyが重要な役割を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(5 results)