2008 Fiscal Year Annual Research Report
迅速かつ効率的な遺伝子導入法を用いた概日リズム発振・同調メカニズムの解明
Project/Area Number |
19590235
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
早坂 直人 Kinki University, 医学部, 講師 (80368290)
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Keywords | 体内時計 / レンチウイルス / 視交叉上核 / アストロサイト / リズム同調 |
Research Abstract |
1、我々は、GeneChipにより網羅的に採取した概日振動遺伝子群の中で、発現が組織特異的で且つ機能が特に注目されるRgs16、Hmg4、Dusp4の3遺伝子を選択し、各遺伝子の過剰発現マウスを作製した。そのうち、Hmg4では発生に異常があり、胎生致死になることが示唆された。また、Dusp4では、概日リズムその他に異常が観察されなかった。そこでDusp4ノックダウンマウスも作製したが、結果は同様であった。Rgs16過剰発現マウスでは、明暗周期の位相前進に対する行動リズムの同調に有意に長時間を要することが明らかとなり、概日時計の光同調機構の異常が示唆された(投稿準備中)。 2、過剰発現でリズム異常が確認されたRgs16の機能欠損の影響を解析するため、Rgs16の発現を抑制するshRNAを2種類デザインし、それぞれを発現するノックダウンマウスを独立に作製した。双方のマウスに共通して、活動リズムの周期変化と光による位相変位の異常、膵臓、リンパ球の遊走異常等を認めた。しかし、強発現し概日振動を示す肝臓では異常が見られなかった。上流のGPCR候補も一部同定し、概日時計に関与す新規のシグナル伝達系の存在が示唆された(投稿準備中)。 3、アストロサイトはSCNにおいて、概日リズム振動や同調機構などに積極的に関与する可能性が我々の研究からも示唆されたので、神経の時計は正常で、アストロサイトの時計が正常に作動しないマウスでの概日リズムへの影響を解析することにした。既に報告のある、GFAP遺伝子上流の2.2kbの転写調節領域にClockのドミナントネガティブ変異体(DN)を連結して、導入したマウスを作製した。FOが相当数確保できたので、SCNでのDNの発現を調べ、アストロサイト特異的な発現の見られることを確認した。
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Research Products
(4 results)