2007 Fiscal Year Annual Research Report
トランスクリプトーム、プロテオーム解析によるC6細胞特異的概日振動機構の解明
Project/Area Number |
19590236
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
藤岡 厚子 Kinki University, 医学部, 准教授 (30077664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重吉 康史 近畿大学, 医学部, 教授 (20275192)
鯉沼 聡 近畿大学, 医学部, 助教 (10340770)
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Keywords | 概日リズム / 振動遺伝子 / 振動タンパク / C6細胞 / プロテオーム |
Research Abstract |
生物時計の組織特異的概日リズム発振機構の分子機構を明らかにするため、C6細胞を末梢時計のモデルとして用い、本年度は次の成果を得た。 1、組織特異的概日振動遺伝子の転写調節機構 gene chipを用いた解析からC6細胞特異的に振動する遺伝子を300以上も見つけた。それらの一つにTgf-aがある。Tgf-aは、Dex投与後C6細胞では、リズミックな発現を示した。一方rat1細胞ではリズムを示さなかった。したがってTgf-aはC6細胞特異的振動遺伝子の一つと考えられる。Tgf-aはSCNでは神経細胞ではなくアストログリアに発現する。C6細胞はグリオーマ細胞であり興味深い。TGF-aタンパクは、マスキング反応との関係が示唆されている。マスキングの分子機構は不明であり、細胞特異的に発現しているC6細胞を用いることにより、マスキングに関連したTgf-a誘導機構など、分子事象の解明をさらにすすめている。 2、C6細胞中に発現する振動タンパクを明らかにする 細胞の概日リズムの発振には、従来の遺伝子の変動に加え、タンパク質の変動(翻訳、修飾、分解など)も考慮しなければならない。また転写因子のように、タンパクの核移行にみられる振動もある。これらの転写によらない振動制御機構を解明するために、二次元泳動によるプロテオーム解析を行った。振動タンパクの一つにEF2を認めた。EF2は2D DIGEでは酸性側に連続するスポットとして認められた。Dex刺激後、リン酸化EF2の振動が示唆されたので、リン酸化EF2のSDS PAGEを行った。刺激後8〜12時間および32時間で高いリン酸化EF2の発現をみた。EF2はタンパク翻訳に重要な役割を持ち、リン酸化により不活性化することが知られている。EF2のリン酸化-脱リン酸化は、転写によらないタンパク発現の制御に関係している可能性がある。リン酸化EF2発現とタンパク発現量の関係について検討中である。
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Research Products
(2 results)