2008 Fiscal Year Annual Research Report
トランスクリプトーム、プロテオーム解析によるC6細胞特異的概日振動機構の解明
Project/Area Number |
19590236
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
藤岡 厚子 Kinki University, 医学部, 准教授 (30077664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重吉 康史 近畿大学, 医学部, 教授 (20275192)
鯉沼 聡 近畿大学, 医学部, 助教 (10340770)
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Keywords | 概日リズム / 振動タンパク / プロテオーム / リン酸化リズム / C6細胞 |
Research Abstract |
生物時計の組織特異的概日リズム発振機構の分子機構を明らかにするため、C6細胞を末梢時計のモデルとして用い、本年度は次の成果を得た。 1、C6細胞中に発現する振動タンパク (1)振動を示すタンパクを検出する:Dex刺激後、経時的にC6細胞からタンパクを抽出し、2D-DIGEを行った。12時間の時間差がある2つのサンプルをそれぞれCy3あるいはCy5で染色し、発現量の差を同一ゲル状で比較した。さらに24時間後のサンプルでも同様の発現量の違いを示すタンパクを振動タンパクと考え、MALDI-TOF/MS法による質量解析により、振動タンパクを同定した。約30個の振動タンパクを検出した。それらの内elongation factor2 (EF2)について詳細に検討した。EF2はペプチドの伸長に関与するタンパクで、リン酸化によりペプチド伸長、すなわちタンパクの合成が阻害される。2次元泳動では塩基性側から酸性側にかけて連続して並ぶ数個のスポットとして検出され、リン酸化等の修飾による変動がうかがわれた。ウェスタン・ブロッティングで経時的に検出すると、EF2全タンパク量に変化はないが、リン酸化に概日リズムを認めることができた。EF2リン酸化が細胞特異的振動発振における役割を知るために、免疫沈降を行い関連するタンパクを検出し、細胞特異的なシグナル伝達機構および代謝経路を明らかにしつつある。 (2) タンパクリン酸化のリズムをみる:リン酸化脱リン酸化によって、タンパク分子はしばしば機能が大きく変化する。リン酸化リズムを示すタンパクを網羅的に検出するために、2D-DIGEを行った。フォスファターゼ処理あるいは未処理のサンプルあそれぞれCy3,あるいはCy5で標識し、同一ゲル上で泳動することにより、リン酸化タンパクを検出した。あるいはリン酸化特異的染色であるProQ-Diamondによる検出も行った。数十個のタンパクにリン酸化のリズムを認めた。このようなタンパク修飾のリズムは、プロテオーム解析によって初めて網羅的に明らかにされるものである。
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Research Products
(3 results)