2008 Fiscal Year Annual Research Report
摂食と消化機能の中枢性と末梢性の相互調節、および加齢の影響
Project/Area Number |
19590237
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
金井 節子 Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology, 東京都老人総合研究所, 助手 (90100122)
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Keywords | 加齢 / グレリン / 摂食 / 消化管機能 |
Research Abstract |
高齢者にみられる食欲不振は身体機能を低下させ、生活の質を低下させることから高齢者では深刻な問題となる。本研究では末梢への摂食調節関連ペプチドの投与による摂食の動向と消化菅の機能を老齢動物(マウス)を用いて検討し、加齢による食欲低下の原因を末梢の消化管機能と中枢の調節機能の両面から解明し、対応策を探索する事を目的とする。 1.加齢による摂食調節の検討 昨年に引き続きグレリンの末梢投与による摂食効果を老齢マウス(C57BL:26〜28ヶ月)と若齢マウス(6〜8ヶ月)で比較し、加齢によりグレリンの摂食亢進効果の変化を検討した。また血中及び胃のグレリン濃度を測定し、加齢による摂食の変化の機序を検討した。グレリンによる摂食効果は加齢によ応性が低下していた。これに反し絶食時の血中及び胃のグレリン濃度は、加齢マウスが高値を示し、加齢による摂食調節の変化が示唆された。 2.胃酸分泌におけるCCK(コレレストキニン)の受容体欠損の効果 CCKとガストリンの両受容体欠損マウスではグレリン分泌が消失しているとの報告がある。CCK-1RKO, CCK-2R(ガストリン受容体)KOマウスの刺激(化学物質としてヒスタミン、神経伝達物質としてカルバコール)による胃酸分泌を比較検討し、胃酸分泌調節の機序の解明を試みた。CCK-2Rを持つマウスと持だないマウスでは刺激に対する反応が異なり、CCK-2Rの欠如はカルバコールに対する感度を変化させたがヒスタミンに対しては大きな変化は観察されなかった。胃酸分泌に関してはCCK-1Rの生物的役割は重要でない可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)