2009 Fiscal Year Annual Research Report
血管平滑筋細胞の形質転換機構の解明-調節因子としてのマイクロRNAの関与-
Project/Area Number |
19590240
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中村 彰男 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 講師 (30282388)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 良樹 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20212863)
小浜 一弘 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30101116)
|
Keywords | 血管平滑筋 / マクロRNA / 形質転換 / 細胞遊走 / 分化・脱分化 |
Research Abstract |
近年、我が国においては深刻な高齢化社会を迎えており、それに加えて食生活の欧米化などによる生活習慣の変化などの影響で、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)、脳血管障害、閉塞性動脈硬化症などの動脈硬化性疾患が増加している。この動脈硬化症の要因として、脂肪代謝の異常に伴う血管平滑筋の脱分化が注目されている。ところが、この動脈硬化症を引き起こす血管平滑筋細胞の形質転換の分子メカニズムに関してはいまだに良くわかっていない。しかしながら、ポストゲノム時代の到来の中、おおきな発見が相次いだ。その一つが蛋白質をコードしていないmiRNAの発見である。そして、miRNAが細胞の癌化(脱分化)や分化におおきく関わっている事が明らかになってきた。昨年度、本研究では、マウスの血管平滑筋細胞の脱分化の過程で発現レベルが特に上がるmiRNAの3種類に関して細胞内の強制発現を試みた。この3種類は癌化に深く関与していると考えられている。成熟miRNA一過的に発現させるように工夫したプラスミド用いてNucreofectorを用いて導入した正常ヒト血管平滑筋細胞の細胞遊走能に与える影響を調べた。その結果、この3種類のmiRNAのうち2種類はpDGF-BBに対する細胞遊走能が3倍にも増加した。そのことからこの3種類のmiRNAは血管平滑筋細胞を脱分化に導き、細胞遊走能を上昇させていると考えられる。今後、これらのマイクロRNAがどのような蛋白脂質をターゲットにしておるのかに関して更に調べ、血管平滑筋の脱分化に伴いどのような仕組みで標的遺伝子を抑制し、分化誘導を行うかに関して引き続き解析を行う予定である。
|
-
-
-
-
-
-
[Presentation] The novel calmodulin-binding site of the smooth muscle myosin light chain kinase2010
Author(s)
Nakamura, A., Matsumoto, A., Xie, C., Yoshiyama, S., Ishikawa., Kohama, K.
Organizer
The 83rd Annual Meeting of the Japanese Pharmacological Society
Place of Presentation
Osaka
Year and Date
2010-03-16
-
-
-
-
-
-