2008 Fiscal Year Annual Research Report
心房細動に伴う電気的リモデリングと細胞膜ATP感受性K^+チャネル
Project/Area Number |
19590241
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小倉 武彦 Chiba University, 大学院・医学研究院, 講師 (00292673)
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Keywords | 心房細動 / K_<ATP>チャネル / 電気的リモデリング |
Research Abstract |
心房細動のように心房筋細胞が高頻度で興奮した際、活動電位が徐々に変化し電気生理学的特性が変化し、いわゆる電気的リモデリングが起きるとされているが、その成立にATP感受性K^+(K_<ATP>)、チャネルが関与するか否かは十分明らかにされていない。そこで我々は、心筋細胞膜K_<ATP>チャネル機能が欠失しているKir6.2ノックアウト(KO)マウス摘出灌流心房筋標本を用い電気生理学的検討を行った。 野生型(WT)およびKir6.2KOマウスのLangendorff灌流心に微小電極法を適用し、15Hzの高頻度電気刺激を5時間維持しながら左心房より活動電位を記録し、90%再分極時点での心房活動電位持続時間(APD_<90>)について解析を行った。さらにK_<ATP>チャネル阻害薬やL型Ca^<2+>チャネル括抗薬存在下の活動電位についても検討を行った。5時間高頻度刺激負荷前後の心房筋イオンチャネルmRNAについてPCR法を用いて検討した。高頻度刺激下ではWTマウス心房筋標本のAPD90はほとんど変化が見られなかったが、Kir6.2KOマウス心房筋標本では一過性に延長した後、回復した。K_<ATP>チャネル阻害薬処置のWTマウス心房筋標本でもAPD_<90>は延長した。またL型Ca^<2+>チャネル括抗薬で処置するとWTおよびKir6.2KOマウス心房筋標本で観察されたAPD_<90>変化は消失した。高頻度刺激によってCav1.2のmRNAは変化しなかったが、Kv1.5のmRNAはWTおよびKir6.2KOマウス心房筋の両者において減少した。心房頻拍時のK_<ATP>チャネルの活性化は活動電位持続時間を修飾して細胞内Ca^<2+>過負荷を調節し、その電気生理学的特性変化に影響を与える可能性が示唆された。
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