2007 Fiscal Year Annual Research Report
スナピン分子を介する細胞内情報伝達および神経伝達物質遊離の調節機構の解明
Project/Area Number |
19590242
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
鈴木 史子 University of Fukui, 医学部, 助教 (80291376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 郁延 福井大学, 医学部, 教授 (10111965)
森島 繁 福井大学, 医学部, 講師 (50290911)
田中 高志 福井大学, 医学部, 助教 (40313746)
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Keywords | アドレナリン受容体 / スナピン / TRPC6チャネル / 受容体作動性Ca^<2+>流入 |
Research Abstract |
細胞膜受容体の活性化により引き起こされる細胞内へのCa^<2+>流入のメカニズムは未だ明らかにされていない。私たちは、この"受容体作動性Ca^<2+>流入機構"において重要な役割を担う分子としてスナピンを同定し、そのメカニズムの解明を目的として研究している。 これまでに私たちは、スナピン分子が受容体(α_<1A>-アドレナリン受容体)とチャネル(TRPC6チャネル)の両分子と相互作用すること、この受容体の活性化を受けて"α_<1A>-アドレナリン受容体-スナピン-TRPC6チャネル"という複合体を形成することにより、TRPC6チャネルの細胞膜上への移行を促進し、Ca^<2+>流入を増大することを明らかにしてきた。 これらの結果から、スナピンがα_<1A>-アドレナリン受容体の活性化シグナルをTRPC6チャネルへ伝達する重要なシグナル分子であることが示唆されたため、さらに詳細なメカニズムを解明する目的で、α_<1A>-アドレナリン受容体、スナピンおよびTRPC6チャネルの各分子について変異体を作製し、各分子間の相互作用を検討した。その結果、スナピンと、α_<1A>-アドレナリン受容体またはTRPC6チャネルの結合部位を示唆するデータが得られたことから、これら3分子が互いにどのように結合して複合体を形成するのか、ある程度明らかにすることができた。 現在、このような複合体形成、つまり分子間相互作用の増強に関わるアドレナリン受容体活性化下流のシグナルについてさらに検討するために、各分子のシグナルに関与する部位における変異体を作製し、培養細胞へ導入して安定的発現株の構築を進めている。
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