2008 Fiscal Year Annual Research Report
スナピン分子を介する細胞内情報伝達および神経伝達物質遊離の調節機構の解明
Project/Area Number |
19590242
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
鈴木 史子 University of Fukui, 医学部, 助教 (80291376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 郁延 福井大学, 医学部, 教授 (10111965)
森島 繁 福井大学, 医学部, 准教授 (50290911)
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Keywords | アドレナリン受容体 / スナピン / TRPC6チャネル / 受容体作動性Ca^<2+>流入 |
Research Abstract |
私たちはα_<1A>アドレナリン受容体の相互作用分子として細胞内小分子であるスナピンを同定し、その機能について検討し、その成果を報告してきました。 これまでに私たちは、スナピンが1)α_<1A>受容体とTRP6 Ca^<2+>チャネル間に生理的なリンクを形成する介在分子であることを報告してきました。スナピンは2)脂質二重膜の融合に重要な役割を担うSNARE複合体とも相互作用し、小胞体を細胞膜近傍に係留する足場タンパクとしての役割も担っています。本年度の研究により、スナピンを中心とするこの1)と2)の2つの相互作用により、スナピン、α_<1A>受容体、TRP6 Ca^<2+>チャネルおよびSNARE複合体が、定常状態でも細胞膜と小胞体膜の近接部位に局在していることを示唆する結果を得ました。 さらにスナピンの機能を詳細に調べるため、この分子をα_<1A>受容体と共に安定的に強発現させたPC12細胞を用いて、この受容体を活性化した時の細胞内シグナルにおけるスナピンの影響を検討しました。その結果としてこれまでに、α_<1A>受容体の刺激により"α_<1A>受容体-スナピン-TRP6 Ca^<2+>チャネル"三分子複合体が形成され、小胞体膜上に存在していたTRP6 Ca^<2+>チャネルが細胞膜上へ移行して、このチャネルを介するCa^<2+>流入が著しく増大することを明らかにし報告してきました。 本年度はこのCa^<2+>流入が引き起こされると同時に、"スナピンーSNARE複合体"間の相互作用も増大して小胞体膜と細胞膜の融合が促進されること、そしてドパミンを含む小胞体がexocytosisされることによる細胞外へのドパミン遊離が観察されることを明らかにしました。また、このようなドパミンの遊離が、先に述べたCa^<2+>流入増大にも依存していることを示唆するデータを得ました。
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Research Products
(8 results)