2007 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性脳卒中における血中遊離脂肪酸および20-HETEの関与
Project/Area Number |
19590244
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
竹内 和彦 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 助教 (00419425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 裕司 浜松医科大学, 教授 (50262803)
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Keywords | 循環 / 虚血性脳卒中 |
Research Abstract |
血中遊離脂肪酸と虚血性脳心血管イベントとの関連が報告されているがそのメカニズムは明らかではない。平成19年度は,初代培養ブタ大動脈血管内皮細胞を対象として,fura-2/AMを用いた細胞内カルシウム濃度測定と6ケトープロスタグランジンF1α免疫酵素測定法を用いたプロスタグランジンI2産生測定により,遊離脂肪酸の血管内皮機能に及ぼす影響を検討し以下の結果を得た。 (1)アラキドン酸(0.1-10μM),リノール酸(0.1-10μM)は,血管内皮細胞におけるブラジキニン誘発性カルシウム応答を濃度依存的に抑制した。 (2)アラキドン酸,リノール酸は,血管内皮細胞におけるブラジキニン誘発性プロスタグランジンI2産生を濃度依存的に抑制した。 (3)ステアリン酸(10μM),パルミチン酸(10μM)は,血管内皮細胞におけるブラジキニン誘発性カルシウム応答およびプロスタグランジン12産生に影響しなかった。 以上の結果よりアラキドン酸をはじめとするある特定の遊離脂肪酸のみが血管内皮力ルシウム応答を抑制し血管内皮機能を低下させることが明らかとなった。現在,アラキドン酸、りノ-ル酸による血管内皮抑制作用が20-HETE経路を介したものであるかを検討している。遊離脂肪酸による血管障害機構が明らかになることにより新たな脳心血管イベントの予防ターゲットを見出すことが可能となることが期待される。
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