2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規下垂体糖蛋白ホルモン、サイロスティムリンの生理機能の探索
Project/Area Number |
19590245
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長崎 弘 Nagoya University, 医学部, 寄附講座 助教 (30420384)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大磯 ユタカ 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40203707)
鈴木 千津子 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80378083)
濱田 洋司 名古屋大学, 医学部, 寄附講座准教授 (20293706)
|
Keywords | 下垂体ホルモン / サイロスティムリン / ACTH / GPA2 / GPB5 |
Research Abstract |
サイロスティムリンはGPA2とGPB5の二つのサブユニットから成るヘテロダイマーの糖蛋白ホルモンである。その生理機能を明らかにするためin vivoとin vitroの二つの系から探索を行なっている。2007年度の研究計画の進捗状況を以下に述べる。 1.転写調節領域の解析:内分泌組織発生に関与する転写因子、isl-1がGPA2の正の調節を行なうことをReguratoly Peptide誌に発表した。GPB5については、培養細胞系においてILl-bおよびTNFa等の炎症性サイトカインがNFkBを介して発現調節に関与することを明らかにした。 2.ELISA系の構築:ELISA系を構築するため、E.Coli大量蛋白発現系でGST-GPB5を発現、家兎に免疫して抗血清を作成中である。 3.下垂体免疫染色:8例のヒト剖検下垂体標本において、GPB5の抗血清と、下垂体ホルモン(成長ホルモン、ACTH、 TSH、 LH、プロラクチン)とで二重免疫染色を行なった。全例でGPB5はACTH産生細胞と共存しており、Corticotroph特異的なホルモンであることが明らかとなった。 4.下垂体腫瘍の免疫染色:各種下垂体疾患標本(末端肥大症10例、クッシング病5例、プロラクチノーマ3例、非機能性腺腫10例)において免疫染色を行なったところ、GPB5免疫活性はクッシング病の腫瘍組織にのみ認められ、ACTHとの共存が確認された。他の下垂体腫瘍にはGPB5は検出されなかった。 5.各種哺乳類下垂体におけるサイロスティムリンの探索:各種哺乳類(ウシ、ブタ、ヒツジ、イヌ、モルモット、マウス)から下垂体を摘出し、免疫組織染色を行なった。ウシ、ブタ、ヒツジではヒトと同様GPB5陽性であったが、それ以外では陰性であった。比較的高等、大型の哺乳類の下垂体でのみサイロスティムリンが存在するという、種差が観察された。
|