2007 Fiscal Year Annual Research Report
RNA干渉を用いたD-セリン代謝酵素の機能解析と統合失調症治療への応用
Project/Area Number |
19590258
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
橋本 篤司 Tokai University, 医学部, 准教授 (80271592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 正信 東海大学, 医学部, 講師 (90276791)
小林 広幸 東海大学, 医学部, 教授 (60195807)
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Keywords | セリンラセマーゼ / D-セリン / RNA干渉 / D-アミノ酸オキシダーゼ |
Research Abstract |
本研究では、D-セリンの生合成酵素であるセリンフセマーセ(Srr)とD-セリンの代謝酵素であるD-アミノ酸オキシダーゼに対するsiRNAを用いてそれぞれの酵素のノックダウンラットを作成しD-セリン代謝酵素の機能解析を行う。本研究によって新規統合失調症モデル動物の作成やD-セリン代謝酵素の病態生理学的意義の解明がなされれば、難治性統合失調症の陰性・認知症に対して有効は新規治療薬開発の基盤研究となる可能性がある。本年度は、初代培養神経細胞にSrrに対するsiRNA(Stealth RNAi,Invitrogen)をトランスフェクションし、本遺伝子がノックダウンされていることを確認した。脳内への導入効率が高いことが知られているトランスフェクション試薬(jetSI,Polyplus transfection)を用いてsiRNA脳内投与したが、siRNA Negative Control Duplexes(Invitrogen)と比較してD-セリン含量に有意な差は見られなかった。今後は、siRNAの投与量、投与回数、投与後時間、及び他のトランスフェクション試薬等検討を行っていく予定である。最近、富山大学の森寿教授はSrrノックアウトマウスを作出した。このマウスのD-セリン含量はコントロールマウスの10%に減少しており、SrrがD-セリを合成していることを明らかにした。今後は、このノックアウトマウスを用いて分子生物学的・行動学的、薬理学的及び組織化学的な研究を行い、Srrの脳内における機能及び統合失調症との関連を解析していく予定である(森寿教授との共同研究)。
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Research Products
(4 results)