2008 Fiscal Year Annual Research Report
サブスタンスP受容体を標的とした新規抗うつ薬の探索と脳機能画像による有効性評価
Project/Area Number |
19590261
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
鈴木 秀典 Nippon Medical School, 大学院・医学研究科, 教授 (30221328)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 善朗 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20213663)
永野 昌俊 日本医科大学, 医学部, 講師 (60271350)
池田 裕美子 日本医科大学, 医学部, 助教 (10386154)
坂井 敦 日本医科大学, 医学部, 助教 (30386156)
八幡 憲明 日本医科大学, 医学部, 助教 (70409150)
|
Keywords | サブスタンスP受容体 / 陽電子断層撮像法 / 霊長類 / 気分障害 / PETリガンド |
Research Abstract |
1)新規サブスタンスP受容体(NK-1)リガンド[^<18>F]FE-SPA-RQを用いた陽電子断層撮像(PET)研究 昨年度に、げっ歯類および非ヒト霊長類を用いて前臨床安全性試験を行い、本リガンドの薬物動態および安全性を確認した。この基礎データを基に、本年度はヒトを対象とした脳内薬物動態試験を行った。男性健常者を被験者として[^<18>F] FE-SPA-RQを経静脈投与後、330分後までのPET検査を施行した。小脳を参照領域として血液入力関数を用いた動態解析(indirect kinetic method)により、各脳部位の結合能(BP)を求めた。さらに血液入力関数を用いない2種の算出法(ratio method, SRTM)と比較した。放射能濃度は尾状核、被殻で最も高く、小脳で最も低かった。気分障害あるいは不安障害の責任部位とされる辺縁系や前頭前皮質においても十分なBP値が得られた。算出されたNK-1受容体分布は、非ヒト霊長類PET研究から得られた分布および我々が報告したサル各脳部位のNK-1mRNA分布ともよく一致していた。前臨床試験からは本リガンドは平衡状態に到達する時間が長いという欠点を指摘されていたが、線条体以外の領域では、120-180分の測定時間でも正確な値が得られることがわかった。またratio methodがindirect kinetic methodで得られた値と良く相関するため、被験者から血液採取することなくBPを測定できることが明らかとなった。以上より、本リガンドが臨床研究において実用可能であることが示された。 2)PET用新規サブスタンスP受容体リガンドの探索 いままでの知見を基に、さらに脳移行性が高く、薬物動態が速いPET用サブスタンスP受容体リガンドの探索に着手した。複数の候補物質を見いだし、現在げっ歯類および非ヒト霊長類で検討中である。
|
Research Products
(5 results)