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2008 Fiscal Year Annual Research Report

分子シャペロンHsp90によるDNA損傷応答機構の制御

Research Project

Project/Area Number 19590270
Research InstitutionGunma University

Principal Investigator

小田 司  Gunma University, 生体調節研究所, 助教 (10323643)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山下 孝之  群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (10166671)
Keywordsがん / DNA損傷 / Hsp90 / 複製ストレス / 遺伝子変異
Research Abstract

分子シャペロンHsp90は、DNA損傷応答に関わる種々のタンパク質の安定性、細胞内局在、活性を制御することにより、複製ストレス応答に重要な役割を果たしている。複製ストレス応答に関与する特殊なDNAポリメラーゼPolηは、色素性乾皮症バリアントタイプの原因遺伝子で、紫外線や抗がん剤に対する細胞の感受性、遺伝子の突然変異の発生に関与している。今回、我々は、PolηがHsp90による制御を受けているか解析,をおこない、以下の知見を得た。
1)EGFP-Polηを安定に発現するHEK293T、HeLa細胞を用いて免疫沈降法をおこなったところ、Hsp90はPo1ηと特異的に結合し、これらの結合はHsp90阻害剤17-AAGで抑制された。また、内在性のPolηもHsp90と特異的に結合していた。さらにrabbit reticulocyte lysatesで合成したPolηもlysates中のHsp90と結合した。
2)17-AAG処理、RNAiによるHspgo阻害は、紫外線照射によるPolηの複製フォーカスへの集積を抑制した。
3)Hsp90阻害により、HeLa細胞では、Polηのプロテアソームによる分解が亢進した。一方、HEK293T細胞では、17-AAG処理によるPolηの減少は見られなかったが、核内フォーカス形成に重要なモノユビキチン化PCNAとの結合が抑制されることがin vivo,in vitroで明らかになった。
4)17-AAG処理は、HeLaおよびHEK293T細胞の紫外線に対する感受性を亢進させた。shRNAでPolηの発現を抑制させたHEK293T細胞はコントロールの細胞よりも高い紫外線感受性を示したが、17-AAGによる亢進は見られなかった。
5)SupFシャトルベクター法を用いて、紫外線誘発突然変異率を解析したところ、17-AAG処理された細胞では、点突然変異率の増加がみられた。この17-AAGによる影響は、Polη発現を抑制されたHEK293T細胞では見られなかった。
以上の結果は、PolηがHsp90のクライアント蛋白であり、その安定性、機能の制御にHsp90が重要な役割を果たしていることを示している。Hsp90の発現量や活性に影響を与える様々なストレスや化学物質は、Polηを介して、遺伝子の突然変異の発生に関与する可能性がある。

  • Research Products

    (1 results)

All 2008

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 分子シャペロンHSP90はPolymerase-η(Pol-η)の複製フォーカスへの集積と損傷乗越えDNA合成(TLS)を促進する2008

    • Author(s)
      関本隆志
    • Organizer
      日本分子生物学会
    • Place of Presentation
      神戸
    • Year and Date
      2008-12-12

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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