2007 Fiscal Year Annual Research Report
EGF依存的に神経幹細胞で発現する転写因子、その動態と分化制御機構の解析
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19590271
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
内田 孝幸 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 助教 (80334093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 泰樹 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90183003)
倉知 正 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20271546)
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Keywords | 小脳 / 神経幹細胞 / アストロサイト / Notch / 分化 |
Research Abstract |
幼弱マウス腹腔内にBrdUを投与し,小脳における増殖細胞の同定を行った,7日齢では顆粒細胞(ニューロン)前駆細胞に加えて,バーグマングリア,さらに白質に存在するアストロサイトでBrdUの取り込みが見られたが,14日齢では小脳全域においてほとんど増殖絹我は認められなかった。増殖細胞のマーカーであるKi-67に対する抗体を用いた免疫染色でも同様な結果が得られた。また7日齢EllではEGFレセプターを発現する細胞が多く見らわたが,14日齢ではほとんど認められなかった。これは,EGF反応性神経幹細胞は7日齢前後のマウス小脳からだけ得られることを裏付ける知見である。この小脳由来のEGF反応性細胞はサイトカインであるBMP2やCNIFによる刺激こよりGFAPを強く発現するアストロサイト様細胞へと分化する。転写因子Olig2はEGF反応性細胞では核内に局在するが,これらサイトカイン刺激によるGFAP発現増強に伴い核内から消失した。そこで,核外輸送阻害剤であるレプトマイシンB存在下でサイトカイン処理を行った結果,Olig2は核内に留まり,GFAPの発現は抑制された。一方,アデノウイルスを用いてEGF反応性細胞にNotchの細泡内領域を過剰させてNotchシグナルを予め活性化しておいた場合にも,サイトカイン刺激によるGFAPの発現増強が抑制され,増殖能を有する未分化な状態に維持された。これらの結果は,Olig2やNotchシグナルがEGF反応性神経幹細胞の未分化状態維持に重要な役割を果たしていることを示峻しており,生体内で神経幹細胞が維持される機構を解明するための重要な成果である。
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