2007 Fiscal Year Annual Research Report
siRNAや短鎖RNAが塩基配列特異的に誘導するI型IFNを利用した新規癌治療法
Project/Area Number |
19590273
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
武井 佳史 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 講師 (70362233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門松 健治 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80204519)
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Keywords | RNA干渉 / siRNA / インターフェロン応答 / 自然免疫 / 癌 / 治療 / 樹状細胞 / 薬物送達 |
Research Abstract |
RNA干渉は標的遺伝子配列に対応した短い2本鎖RNA(short interfering RNA,siRNA)による遺伝子発現抑制法である。近年、siRNAは標的遺伝子の発現抑制効果の他に、免疫賦活効果(I型インターフェロン=IFNや炎症性サイトカインの誘導)を示すことが報告された。この免疫賦活活性は『特別な塩基配列=IFN inducible sequence(IIS)』を有するsiRNAのみが持つ。以下、これをsiRNA(IIS)と略す。本siRNA(IIS)を利用した癌治療法に関して、本年度の成果を下記に示す。免疫賦活siRNAをトリガーとしたI型IFNの誘導(in vitro実験)ヒト全血から、Leucosep遠沈管とFicoll-Paque Plus比重液を用いて末梢血単核球(PBMC)を分離し、続いてCD304(BDCA-4)発現を指標として形質細胞様樹状細胞(pDC)をポジティブ単離することに成功した。単離したpDCの純度は82%であった。このpDCに対して、IIS配列を有する4種のsiRNA(siRNA A-D)をリポフェクション法で導入すると、細胞培養上清中にIFN-αが分泌された。pDCによるIFN-α誘導にGM-CSFの添加はそれほど奏功しなかった。また、リポフェクション法を電気導入法にかえると、同IFN-α誘導作用が消失した。ヒト前立腺癌細胞PC-3をIFN-α誘導済pDCと共培養することによって、癌細胞PC-3の増殖が抑制されることを証明した。細胞融合装置を用いて、IFN-α誘導済pDCとPC-3を融合する実験を検討中である。
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Research Products
(2 results)