2007 Fiscal Year Annual Research Report
生後の赤血球分化・増殖における転写因子GATA-1の機能解明
Project/Area Number |
19590286
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大根田 絹子 Takasaki University of Health and Welfare, 薬学部, 教授 (50323291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石嶋 康史 高崎健康福祉大学, 薬学部, 助教 (10433640)
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Keywords | 細胞分化 / 転写因子 / 遺伝子発現制御 / 赤血球 |
Research Abstract |
誘導的Gatalノックアウトマウスの作成と解析 マウスGatal遺伝子のエクソンII-VIを挟んでloxP配列を挿入したGatal floxedマウスに、インターフェロン誘導性にCreリコンビナーゼを発現するMx-Creトランスジーンを発現するGatal^<fl/y>::MX-Creマウスを作成した。主な解析結果は次のとおりである。 1)インターフェロン誘導剤p IpCを投与したGatal^<fl/y>::Creマウス(KO-Mxマウスとする)の末梢血所見では、血小板数が有意に低下していたが、貧血はみられなかった。 2)p IpCを投与後3週間めに骨髄から採取したDNAを用いてサザンブロットを実施したところ、Gatal遺伝子の組み換え効率は約20%であった。 3)Gatal遺伝子の組み換えが起こった細胞だけがGFPを発現することを利用して、GFP陽性細胞をフローサイトメトリーで解析したところ、分化した赤芽球(Ter119陽性)の割合が減少していた。 4)骨髄・脾臓の組織所見では、GATA-1を発現していない巨核球数が増加していた。 以上の結果から、成体においてもGATA-1が赤血球・巨核球分化に必須であることが示唆されたが、組み換えが不完全であったため、個体の造血恒常性維持に対するGATA-1の役割を解析することはできなかった。そこで、オランダエラスムス大学のSjaak Philipsen博士の研究グループと共同で、タモキシフェンにより誘導的にCreリコンビナーゼを発現するマウス(ROSA26-CreER)を用いてGatalの誘導的欠失を試みた。その結果、タモキシフェン投与4週後にはほぼ完全にGatal遺伝子の組み換えが起こり、赤血球造血が特異的に障害されているPure red cell aplasia類似の病態を呈した。
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