2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590288
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
笠原 敏子 Teikyo University, 医学部, 講師 (60328086)
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Keywords | 糖輸送体 / 基質認識 / 酵母 |
Research Abstract |
ヒト糖輸送体は種を超えて、共通のファミリー、Major Facilitator Superfamiy (MFS)に属する。酵母 Saccharomyces cerevsiaeのMFSに属する2種の糖輸送体、高親和性糖輸送体Hxt2と低親和性糖輸送体Hxt1の網羅的なキメラ解析から、高親和性糖輸送に必須のHxt2の5個のアミノ酸を同定した。この5個のアミノ酸をさらに各々他の19個のアミノ酸で置換した95個の変異輸送体を作成し、輸送活性を調べた結果、7番目の膜貫通領域にあるAsn-331が糖輸送の親和性を決めていることを明らかにした(J.Biol.Chem.282,13146-13150,2007)。 通常の酵母ではヒト糖輸送体GLUT1を細胞膜に発現するのは困難であるが、糖輸送体欠損変異株S7(hxtf1-17,ga12)の early stationary phaseにおいて飛躍的にヒト糖輸送体GLUT1の細胞膜上の発現量が増えることを発見し、さまざまな生化学的な糖輸送活性の解析が可能になった。 Hxt2のAsn-331に対応するGLUT1のIle-287を他の19個のアミノ酸に置き換えた変異輸送体を作成し、糖輸送のkinetics(Km,Vmax)、輸送する糖の特異性、阻害剤(細胞質側に結合部位があると考えられている Cytochalasin B、外側に面した結合部位があると考えられているPhloretin)の効果等を解析した。Hxt2と同様に、GLUT1においても、このアミノ酸が親和性決定のkey residueであることを示唆していた。また、このアミノ酸は、MFSの大腸菌GlpT輸送体の結晶構造をtemplateとしたhomology modelで、中央のporeに面し、砂時計の形状をしているpathwayの一番狭くなっているところに位置していた。
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