2008 Fiscal Year Annual Research Report
姉妹染色体分体の分配を支配するPKU-β/TLK1の機能解析
Project/Area Number |
19590290
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
伊達 孝保 Kanazawa Medical University, 付置研究所, 教授 (50019676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 守 金沢医科大学, 付置研究所, 助教 (50319068)
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Keywords | PKU-beta / TLK1 / myosin II / MRLC / chromosome / segregation / contractile ring / centrosome / mitosis |
Research Abstract |
PKU-beta/TLK1の機能は細胞周期のS期だけでなくM期にも重要な働きをしていることをRNA干渉によるPKU-beta/TLK1ノックダウン細胞を用いて明らかにした。 1.TLK-beta/TLK1のノックダウンはmyosin II regulatory light chain (MRLC)のThr18/Ser19のリン酸化を低下させる.M期前期の正常細胞ではリン酸化MRLCは中心体に局在するがノックダウン細胞ではこれが見られず、中心体移動を妨げる原因と考えられた。 2.しかし、PKU-beta/TLK1のノックダウン細胞の半数以上はM期前期から後期に移行している。これらの細胞の分離した染色体分体の量は、DAPIの蛍光強度で比較してみると不均等であった。二つの染色分体のDNA比は、正常細胞で5%(45:55比)以内であるのに対し、ノックダウンのそれは5%以上、2:3比以上も多数見られた。 3.さらに、コントール細胞では細胞質分裂の収縮環にリン酸化MRLCが集積するが、ノックダウン細胞のミオシンは縮環に集積せず、収縮環形成不全を示した。 4.MRLCのリン酸化擬似体でThr18/Ser19をアスパラギン酸に置換したDD-MRLC発現プラスミドをノックダウン細胞へ導入すると、染色体不分離、不均等分裂のM期の障害が解消された。このことは、PKU-beta/TLK1がMRLCのリン酸化を制御しM期全体にわたり支配していることを示唆する。
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Research Products
(2 results)