2007 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素誘導因子(HIF)により誘導される細胞接着関連遺伝子の転写クラスター解析
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19590298
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
神奈木 玲児 Aichi Cancer Center Research Institute, 分子病態学部, 部長 (80161389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 修 愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, 室長 (00142167)
京ケ島 守 愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, 主任研究員 (50225091)
佐久間 圭一朗 愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, 主任研究員 (90402891)
後藤 嘉子 愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, 技師 (30416169)
安川 然太 愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, リサーチレジデント (60443454)
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Keywords | 低酸素誘導因子 / 転写調節 / シアル酸 / 糖トランスポーター / シアル酸転移酵素 / 遺伝子導入 / 細胞接着糖鎖 / ガングリオシド |
Research Abstract |
細胞接着は多くの疾患の病態生理に深く関連している。最近我々は低酸素(hypoxia)によって細胞接着に深く関連する一連の遺伝子の転写が強く誘導されることを見いだした。低酸素によってα5-インテグリン(ITGA5)、シンデカン-4(SDC4)、フコース転移酵素(FUT7)、シアル酸転移酵素(ST30)、UDPガラクトーストランスポーター(UGT1)、シアル酸トランスポーター(Sialin)の転写の誘導が観察された。これらの低酸素による誘導の背景には、転写因子hypoxia inducible factor(HIF)の働きがある。本研究の目的は、転写因子HIFによる細胞接着誘導の分子生物学的メカニズムの解明を進めることにある。予備実験の結果、低酸素によって誘導される細胞接着に関連した遺伝子は上記の六種以外にもいくつかるあことが判明したので、本年度はこれまでの検索より広範なスクリーニングを行い、さらに多くの低酸素で誘導される細胞接着関連遺伝子をあらたに見いだすことを目的とした。その結果、低酸素に伴いシアル酸の分子種が変化し、KDNが増量することが判明した。従来からKDNはシアル酸トランスポーター(Sialin)によっては輸送されないとれてるので、このことは低酸素により、Sialin以外のシアル酸関連遺伝子が変動していることを示す。また低酸素によって、ガングリオシドの脂質部分を構成するセラミド部分の修飾にかかわる遺伝子が変動することも見いだれた。ほかにも数種の低酸素によって誘導される細胞接着に関連した遺伝子が新らに見いだされたので、次年度にはこれらが転写因子hypoxia inducible facot(HIF)単独で転写誘導されるのか、HIFと他の転写因子の協調作用によってはじめて有意の転写が誘導されるのかについて検索する予定である。
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Research Products
(9 results)