2008 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素誘導因子(HIF)により誘導される細胞接着関連遺伝子の転写クラスター解析
Project/Area Number |
19590298
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
神奈木 玲児 Aichi Cancer Center Research Institute, 分子病態学部, 部長 (80161389)
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Keywords | 低酸素誘導因子 / 転写調節 / シアル酸 / 細胞接着糖鎖 / 糖トランスポーター / ガングリオシド / リポーターアッセイ / クロマチン免疫沈降法 |
Research Abstract |
細胞接着は多くの疾患の病態生理に深く関連している。最近我々は低酸素(hypoxia)によって細胞接着に深く関連する一連の遺伝子の転写が強く誘導されることを見いだした。低酸素によってα5-インテグリン(ITGA5)、シンデカン-4(SDC4)、フコース転移酵素(FUT7)、シアル酸転移酵素(ST3O)、UDP-ガラクトーストランスポプター(UGT1)、シアル酸トランスポーター(Sialin)の転写の誘導が観察された。これらの低酸素による誘導の背景には、転写因子hypoxia inducible factor(HIF)の働きがある。本研究の目的は、転写因子HIFによる細胞接着誘導の分子生物学的メカニズムの解明を進めることにある。本年度は広範なスクリーニングを行い、さらに多くの低酸素で誘導される細胞接着関連遺伝子をあらたに見いだした。そのなかには、シアル酸のde novoの生合成に関わるN-acetylneuraminic acid 9-phosphate synthetase(NPS)およびphosphomannoisomerase(PMI)や、ガングリオシドの脂質部分を構成するセラミド部分の修飾にかかわる遺伝子であるFA2H,DES1など、ヒアルロン酸の合成酵素遺伝子、ガラクトースおよび硫酸基の転移に関わる遺伝子などが含まれていた。これら遺伝子のうち一部のものについては5'-調節領域を解析し、Luciferaseを用いたリポーターアッセイやクロマチン免疫沈降法によりHIF結合部位を同定することが出来た。低酸素状態では、これらの遺伝子の変化により細胞表層の糖鎖のうち接着能を持つものに大きな変動が起こるものと考えられた。
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[Journal Article]2008
Author(s)
Varki, A., Kannagi, R., Toole, B. P.
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Journal Title
Essentials of Glycobiology(Cold Spring Harbor Laboratory Press)
Pages: 617-632
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