2007 Fiscal Year Annual Research Report
転写および翻訳制御による膵β細胞ストレス応答の分子機構
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19590300
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石原 寿光 Tohoku University, 病院, 講師 (60361086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 賢 東北大学, 国際高等融合領域研究所, 助教 (70451614)
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Keywords | 糖尿病 / 膵島 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
膵β細胞小胞体ストレスおよび酸化ストレス応答の特徴の解明 膵β細胞の小胞体ストレスおよび酸化ストレス応答を特徴づけるために、β細胞株MIN6を小胞体ストレス誘導物質タプシガルギンおよび酸化ストレス誘導物質砒素に暴露し、タンパクおよびmRNAの発現解析を行った。Integrated stress responseとして知られる共通な応答に加え、酸化ストレス下でのJNK経路の重要性が明らかとなった。また、MIN6細胞とNIH3T3繊維芽細胞を小胞体ストレス誘導物質ツニカマイシン存在下で培養し、mRNAの発現変化を解析した結果、新たな小胞体ストレス応答分子を複数個同定した。 膵β細胞ストレス応答を特徴付ける個々の経路の解析 ストレス応答における翻訳制御Eif4E/4E-BP1系の役割の解析:in vivoにおける小胞体ストレス下での4E-BP1の役割を検討するため、Eif4ebp1遺伝子破壊マウスとWfs1遺伝子破壊マウスを交配し、Eif4ebp1・Wfs1遺伝子二重破壊マウスを作製した。また、異常インスリン分子の小胞体での蓄積のため糖尿病を発症するAkitaマウスとEif4ebp1遺伝子破壊マウスを交配し、4E-BP1が欠損したAkitaマウスを作製した。それらの解析によって、4E-BP1による翻訳抑制機構が小胞体ストレス下でのβ細胞の生存に重要であることを明らかにした。 ストレス応答におけるセリン合成系の役割の解析:ストレス下のMIN6細胞におけるセリン合成系律速酵素3-ホスホグリセリン酸脱水素酵素(PhGDH)発現増加の役割を明らかにするため、MIN6細胞においてPhGDHの過剰発現などを行い、抗酸化ストレス応答における役割を示唆する結果を得た。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] ATF4-mediated induction of 4E-BP1 contributes to pancreatic β cell survival under endoplasmic reticulum stress2008
Author(s)
山口賢, 石原寿光, 山田高広, 田村明, 薄井正寛, 富永竜, 宗像佑一郎, 佐竹千尋, 片桐秀樹, 田代文, 油谷浩幸, 小原恭子, 宮崎純一, Nahum Sonenberg, 岡芳知
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Journal Title
Cell Metabolism 7
Pages: 269-276
Peer Reviewed
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[Journal Article] Bone marrow(BM)transplantation promotes β cell regeneration after acute injury through BM cell mobilization2007
Author(s)
長谷川豊, 荻原健英, 山田哲也, 石垣泰, 今井淳太, 宇野健司, 高俊文, 金子慶三, 石原寿光, 笹野公伸, 中内拓光, 岡芳知, 片桐秀樹
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Journal Title
Endocrinology 148
Pages: 2006-2015
Peer Reviewed
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[Presentation] 翻訳抑制因子4E-BP1の欠損は、小胞体ストレスによる膵β細胞障害を悪化させる2007
Author(s)
山口賢, 石原寿光, 田村明, 山田高弘, 佐竹千尋, 薄井正寛, 冨永竜, 檜尾好徳, 荻原健英, 鈴木進, 片桐秀樹, 岡芳知
Organizer
第50回日本糖尿病学会年次学術集会
Place of Presentation
仙台市
Year and Date
2007-05-25
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