2007 Fiscal Year Annual Research Report
粘腹上皮の重炭酸イオン・炭酸ガス輸送の障害による疾病の分子病態と治療法の研究
Project/Area Number |
19590303
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 孝晴 Nagoya University, 総合保健体育科学センター, 教授 (20135388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 洋 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (90303651)
山本 明子 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助教 (60402385)
洪 繁 名古屋大学, 医学部付属病院, 助教 (90402578)
久米 裕昭 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50303631)
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Keywords | 膵導管細胞 / SLC26A6 Cl-HCO_3交換輸送体 / CFTR / HCO_3輸送 / 単離小葉間膵管 / ノックアウトマウス / 膵液 / siRNA法 |
Research Abstract |
ヒトの膵液は140mM以上もの高濃度の重炭酸イオン(HCO_3^-)を含む。膵導管細胞の管腔膜には、SLC26ファミリーに属するSLC26A6Cl^-HCO_3^-交換輸送体とcystic fibrosis transmembrane conductance regulator(CFTR)アニオンチャネルが存在することがわかっているが、これらの分子がどのように協調して高濃度のHCO_3^-輸送を実現しているかは明らかではない。slc26a6のノックアウトマウスの純粋膵液を麻酔下に採取したところ、セクレチン刺激下の分泌量とHCO_3^-濃度(約40mM)はコントロールと差は無かった。単離した小葉間膵管の管腔内への膵液分泌量も差は見られなかった。しかし、単離膵管の管腔をmicroperfusionして細胞内pHを測定し、管腔膜のCl^-HCO_3^-交換活性を測定したところ、細胞外Cl^-⇔細胞内HCO_3^-交換方向の活性が優位に低下していた。SLC26A6は膵導管細胞管腔膜の主要なCl^-HCO_3^-交換輸送体であるが、ノックダウンされた場合にはCFTRがHCO_3^-輸送機能を代償したと考えられる。マウスの膵液のHCO_3^-濃度は最高でも40〜50mMであり、ヒトの膵臓の良い実験モデルとは言えない。そこで、膵液のHCO_3^-濃度がヒトと同程度に高いモルモットの単離膵管を実験モデルとして用いることとした。CFTR遺伝子をクローニングし、siRNAをデザインした。単離膵管をsiRNAで24〜48時間処理したところ、CFTRのタンパク発現及びセクレチン刺激下の膵液分泌量が50%程度に減少した。
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Research Products
(3 results)