2007 Fiscal Year Annual Research Report
リピドミクスによるホスホリパーゼB/リパーゼの小腸粘膜細胞分化促進機構の解析
Project/Area Number |
19590307
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東城 博雅 Osaka University, 生命機能研究科, 准教授 (90135707)
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Keywords | リピドミクス / ホスホリパーゼB / リパーゼ / 小腸 / 分化 |
Research Abstract |
最近樹立したホスホリパーゼB/リパーゼ(PLB/LIP)ヘテロ欠損マウス(PLB/LIP+/-)を用いてPLB/LIPの小腸における機能解析をすすめた。まずHPLC/MSに適した高極性脂質抽出法を開発した。この方法により、分析の妨げになる蛋白質や極性化合物を除去でき、HPLC/MS分析に適した状態で効率良く高極性脂質を再抽出することが可能になった。この方法で抽出した脂質を分析するための高感度二次元HPLC/MSシステムを開発するための一次元目は分離カラムの検討をした。このカラムにより疎水性蛋白質、環境由来ポリマーなどの夾雑物除去と脂質の粗分離画可能になった。高極性脂質のエレクトロスプレー(ESI)に最適化した超撥水性ESIチップを作製し、安定化高感度化を達成できる見通しをえた。中性脂質からリン脂質にわたる一斉分析装置を用いて、野生型とPLB/LIP+/-粘膜脂質組成の変化を定量的に解析し、酸性リン脂質組成に変化が検出できた。分化に関連するスフィンゴ脂質の構造変化を検索したが、現在有意な変化は検出できていない。開発中の高極性脂質分析法を用いてガングリオシドや分化関連スフィンゴシン誘導体などの検索へ範囲を広げる予定である。ヘテロ欠損マウスは雄性不妊を示すためホモ欠損体は得られていなかったが、最近少数のホモ欠損体を確保できたので、交配実験を繰り返しホモ欠損体を用いた実験を進め、PLB/LIPの機能をより明確にできる実験系を構築する。
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